知事選1カ月 「県内移設」の可否が争点

 県知事選挙の投開票まで1カ月と迫った26日、政権与党の民主党は独自候補の擁立を断念した。
 参院選に続く県内三大選挙での「不戦敗」の選択は、政権政党として無責任のそしりを免れない。
 知事選の最大の争点は普天間飛行場の撤去・移設問題である。
 その普天間問題で「最低でも県外移設」と公約し、県民や国民に期待を抱かせながら、政権を奪取するや「学べば学ぶほど抑止力、在沖米軍は必要」と県内、しかも自公政権と同じ名護市辺野古に移設先を戻す「日米合意」を締結した。

 それが世論の猛反発を買うと簡単に首相は辞任し、代わった首相は「日米合意の実施」を軽々と言ってのける。そんな政党が、今、日本のかじを握っている。
 知事選を前に県民は、よほどの覚悟と注意が必要だ。なぜなら、民主党は普天間の辺野古移設実現を強硬に主張しているからだ。
 26日まで開かれた沖縄政策協議会では米軍基地負担軽減と沖縄振興の二つの部会で、政府から県への新提案が相次いだ。
 環境問題での米軍基地内立ち入り調査に関する日米協議機関の設置、米兵の事件・事故に対する大臣級会合の新設、普天間の危険性除去を話し合う政府と県の作業部会設置などだ。
 どれも実効性や実現性に疑問符が付くが、県への普天間辺野古移設容認を求める政府の懐柔策、交換条件ともみていい内容だ。
 その政策協議会の場で次期知事選に再選出馬を決めている仲井真弘多知事は「普天間飛行場の県外への移設を求める」と表明した。
 すでに対抗馬として知事選出馬を表明している伊波洋一・前宜野湾市長も国外も含め「県外移設」を求める点で「同じ」に映る。
 実際、本土では「両候補とも“県外”で一致。普天間は争点にならない」との見方が広がっている。
 だが、伊波氏が「県内移設」にも明確に反対しているのに対し、仲井真氏は「県外移設がベストだが、普天間の危険性の早期除去のためには県内移設もやむなし」の姿勢を貫いてきた経緯がある。
 民主党有力議員は「独自候補擁立は断念したが現職が通れば県内移設の可能性は残る」と強調する。
 現職が「県内移設反対」を明確に表明せねば「普天間」は知事選の争点となり、知事選後も県民世論と民主党政権との対峙(たいじ)は続く。