男女共同参画 実現へ向け強い指導力を

 政府が第3次男女共同参画基本計画を閣議決定したが、反省の色濃い内容となった。指標となる数字がどれも低調で、先進国というには程遠いからだ。
 政府が放置すればなかなか実現しない分野だ。これこそ民主党政権の掲げる「政治主導」が必要だろう。菅政権は強い指導力を発揮してもらいたい。

 5年前の第2次計画は、社会のあらゆる分野で「指導的地位に女性が占める割合」を2020年までに「少なくとも30%程度」にすると掲げた。
 だが衆院議員は現時点でも10・9%、参院議員も18・2%にすぎない。政党役員も民主党は3・2%だ。政治自体が「共同参画」に背を向けていると言っていい。
 政府の資料によると、08年時点で女性労働者の給与は男性の7割に満たない。非正規労働者は、男性が全労働者の2割未満なのに対し、女性は5割を超える。国連女性差別撤廃委員会が昨年、指摘した通り、日本社会はいまだに男女差別が根を張っていると言わざるを得ない。
 今回の基本計画は実効性のある積極的改善措置(ポジティブ・アクション)を推進するとうたった。クオーター(割り当て)制など強制力を持つ仕組みを構築しなければ、いつまでたっても進展しない。取り組みの遅れを考えると、導入は当然だろう。
 女性登用に積極的な企業に対する優遇税制も検討課題に掲げたが、「検討」では遅すぎる。早急に導入すべきだ。
 男性の育児参加推進も今回の特徴だ。男性の育児休業取得率を09年の1・72%から20年に13%へ引き上げると掲げたが、かなり強力な取り組みが求められよう。政府は掛け声だけでなく、実効性のある措置を講ずべきだ。
 選択的夫婦別姓の導入は、7月の男女共同参画会議の答申では「必要」としていたが、「検討する」となった。社会的慣行の是正が後退しないか、懸念される。
 少子高齢化で労働力人口が減る中、女性が能力を発揮できないでいるのは社会にとっても大きな損失だ。多様化する消費者ニーズをくみとるためにも、女性の視点を持たないと、企業自体が存続を脅かされよう。
 何より、女性というだけで能力発揮の機会を失ってしまう社会は不健全だ。早急な是正へ、われわれ自身の意識改革も求められる。