学校移転発言 優先すべきは住民生活だ

 平穏な生活を求める県民の思いを全く取り違えている。本末転倒も甚だしい発言だ。
 来県した前原誠司外相は、米軍普天間飛行場移設問題に関連し、移設までの間の危険性除去対策として県が要望すれば、学校など周辺施設の移転を政府は検討する旨の発言をした。
 これは「基地があるから、周辺住民は出て行け」と言っているのに等しい。基地優先の姿勢をあらわにしたものだ。

 学校や病院などを移転させることでは、何ら根本的な解決には結び付かない。
 前原外相は「移設先を決めるまでは普天間飛行場が使用され続けることになる。万が一、事故が起きた場合、被害を最小限にするため」と、学校、病院などの移設理由を挙げている。
 米軍事故で「市民の多少の犠牲もやむなし」とも聞こえる。そもそも住民生活から遠く離れた場所に、学校や病院を移転すること自体が矛盾した発想だ。
 通学や通院の不便が日常化し、基地の危険性も放置される。全く話にならない。
 普天間移設が行き詰まった場合、政府は「学校や病院などを移転しているから、危険性は小さくなった。だから移設なしでも構わない」と、固定化を押し付ける論理にもなりかねない。
 安里猛宜野湾市長が言うようにまず、米軍に日米間で取り決めた騒音防止協定や飛行ルートを守らせ、安全基準を満たすべきだ。
 市の度重なる要望にかかわらず、騒音防止協定、飛行ルートを守らないで、好き勝手に基地の運用を続けている現状を見ると、政府がそれを米側に徹底して申し入れているのか、疑問だ。
 住民生活の平穏を守るため、やるべきことをやらず、唐突に基地周辺施設の移転を口にしても県民の理解など得られるはずはない。
 菅直人首相、前原外相に対し、仲井真弘多知事は普天間移設先を名護市辺野古とした日米合意見直しを求め、県外移設を申し入れた。
 危険な普天間飛行場は県外に移設せよというのが沖縄の民意だ。それは県民大会や県知事選などを通じて何度も示されている。
 菅首相、前原外相はじめ政府は、なぜ沖縄の声に耳を傾けようとしないのか。
 優先すべきは住民生活で、移転し撤去すべきは危険な基地だ。