高江ヘリパッド 危険行為の真相究明を

 東村高江へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対する市民団体らが座り込みを続けているテントの真上で、米軍ヘリが低空飛行でホバリングした。風圧で、テントが一部壊れ、中にあった椅子や机、看板などが吹き飛ばされる被害が出た。

 テントは夕方まで工事を警戒する人たちが出入りしていた。発生当時、テント内に人がいなかったのは偶然だ。時間は午後7時45分ごろ。現場は真っ暗だ。そんな時間に演習していたとは思えない。米軍ヘリがテントを狙った可能性もある。そうであれば許せない犯罪だ。
 テントは民間地の県道70号沿いにある。民間地での米軍ヘリによる低空飛行は、そもそも許されているのか。事態は県民の命を危険にさらす重大な事案だ。米軍はもちろん、政府、県警も真相を徹底調査し、法にのっとって毅然(きぜん)とした対応を強く求めたい。市民団体の座り込みは、2007年7月から始まった。やみくもに反対しているわけではない。ヘリパッド建設は疑問が多く、日本政府に十分な説明を求めているのだ。
 ヘリパッド建設は米軍北部訓練場の北側の一部を返還し、返還場所にあるヘリパッド6カ所を高江区の訓練場に移す計画だ。建設予定地には、環境省レッドリストに掲載されている絶滅危惧(きぐ)種が177種も生息している。貴重な環境を破壊してまで必要な施設なのか。危険なヘリといわれるオスプレイ配備はあるのか。飛行ルートや周辺への騒音対策はどうなっているのか。住民の疑問に政府は誠実に答える必要がある。
 沖縄防衛局は、午後7時以降の夜間飛行禁止について「可能な限り控えるよう米側に申し入れる」と夜間飛行禁止は困難との認識だ。飛行ルートは「住民への影響を最小限にする旨の回答を得ている」と説明した。
 今回の米軍ヘリの低空飛行をみると、米軍との約束は当てにできそうもない。反対運動を威圧するため故意にやったのであれば重大な犯罪行為であり、故意でなかったとしても看過できない問題だ。
 それは低空飛行とホバリングが日常化する可能性があることの証明となるからだ。ヘリパッドが完成すれば、米軍ヘリの“暴力”に日常が脅かされる。そうであるならば、なおのこと新たな基地を認めるわけにはいかない。