全国知事会発言 同情より安保分担の覚悟を

 仲井真弘多知事が22日の全国知事会で「わが国の安全保障と、それに深く関連する基地の問題を全ての国民が自分の問題として受け止めるような意識と覚悟が不可欠だ」と語り、安保負担の分担を求めた。
 国土のわずか0・6%にすぎない沖縄に、在日米軍専用施設(面積)の74%が集中しているのは誰が考えても公平を欠く。

 「沖縄県の置かれた現実に同情し、理解を示してくれるのはありがたいが、そこに止まっていたのでは事態は何ら改善しない」とも知事は語っている。基地から派生するさまざまな被害をいや応なしに押し付けられている沖縄の現状を何とか打開したいという強い意志の表れと信じたい。
 残念なのは、出席した都道府県知事のうち反応を示したのが山口県の二井関成(にいせきなり)知事だけだったことだ。二井知事は「岩国基地は普天間基地に加え厚木基地からの航空機移転で満杯状態で、これ以上の負担は困難」と述べた上で「知事会としても受け入れるものは受け入れる方向で考えてほしい」と要望した。
 他の知事は仲井真知事の言葉をどの程度深刻に受け止めたのか。腫(は)れ物に触りたくないとの思いから押し黙っていたのではないか。沖縄を含む全国の知事と市区町村長を対象に共同通信が9~11月に実施したアンケートによると、政府から基地や訓練の移転を要請されても、78%が受け入れを検討する意思がないと答えている。だが、16%は検討してもいいとの回答だ。
 問答無用で拒絶する前に、安全保障に伴う犠牲を一部の地域だけに強いる理不尽さに思いを致し、本土での受け入れは本当に不可能なのか、じっくりと考えてほしい。
 在沖米軍施設・区域は合計約2万3293ヘクタール。普天間飛行場の面積(約480ヘクタール)はそのうち約2%にすぎない。
 わが国の米軍基地の4分の3を背負わされている沖縄県民からすれば、普天間飛行場の県外移設はささやかな要望でしかない。閣僚を含め、あたかも「普天間」を移せば沖縄から大部分の基地がなくなり抑止力が大きく損なわれるかのような愚説を唱える不勉強な政治家が少なくないのは遺憾の極みだ。
 各知事は、基地問題を自分自身の問題として捉え、真剣に向き合ってほしい。