メア氏発言 侮蔑的態度を謝罪せよ

 謝罪や釈明ではなく居直りだった。日本や沖縄に対する差別的な発言をしたとして、米国務省日本部長を更迭されたケビン・メア氏のことだ。
 「沖縄はゆすりの名人で怠惰」などと発言したとされる点について、米メディアに「なぜ学生たちが私の発言を歪曲(わいきょく)したか分からないが、確かに反基地運動とかかわりがあったと思う」などと主張した。

 だがメア氏発言を直接聞いたアメリカン大学のデービッド・バイン准教授は「再び信じ難い発言をした」「学生のメモは正確であることを証明できる」と反論した。
 バイン准教授は、メア氏が沖縄と絡めて米自治領プエルトリコについても差別的な見解を示していたことも明らかにしている。
 メア氏には県民に対し事実関係を明らかにするよう求める。日本政府は、発言内容が事実かどうか米国政府に説明を求めるべきだ。
 メア氏は日本部長に就任する前の在沖米国総領事時代、米軍基地に関連し問題発言を繰り返し、県民の反発を招いた。
 2009年に在沖米国総領事を退任する直前、沖縄に赴任した目的が安全保障問題について「(県民に)現実的に考えさせる」ことだったと説明した。
 「普天間(飛行場)は特別に危険ではない」と述べるなど物議を醸してきたが「私の発言は挑発的だと言われるが、失言したことはない」と明言している。
 メア氏は、自身の発言について当時の駐日米大使をはじめ国務省、国防総省など「アメリカ政府の立場を説明している」と述べている。
 今回の「発言」を、メア氏個人の問題に矮小(わいしょう)化してはならない。背景に米国の、歪(ゆが)んだ沖縄観が横たわっていることを認識しなければならないだろう。
 かつて米兵は沖縄人のことを愚かで粗野な「グック」、あるいは哀れみを込めて「オーキーズ」などと呼んだ。海軍軍政要員のワトキンズ少佐は「ネズミ(沖縄)はネコ(米軍政府)の許す範囲でしか遊べない」と述べ、1963年にキャラウェイ高等弁務官は「自治は神話」と発言した。
 県民は戦後一貫して米軍基地によって平穏な暮らしや命、人権が脅かされていることに異議申し立てをしてきた。その現実を直視せず、沖縄蔑視の差別的な発言をまだ繰り返すのか。米国への信頼回復は遠のくばかりだ。