基地交付金 基地負担の財政損失正せ

 有効活用できる土地を他者に占有され、本来は得られる収益を補うと約束された額が半分に満たない。納得する者はいないだろう。
 社会的に通用しない非常識が、国の安全保障政策の下でまかり通っている。米軍基地を抱える県内自治体に配分される固定資産税の代わりの財源に位置付けられる基地交付金が、税収に当たる額の5割に満たないことが分かった。

 われわれは基地を返還させて跡利用した方が経済効果が高いと主張してきたが、市町村財政の面からも、返還させた方が有益であることが証明された。
 全国の基地所在自治体から不満の声があるのは当然だ。国は財政損失の全額をまず補った上で、米軍基地返還を加速するべきだ。
 基地を押し付ける論理と表裏一体となって、政府は沖縄の基地負担と引き換えの自治体に対する財政支援の手厚さを喧伝(けんでん)してきた。
 しかし、沖縄市がまとめた実証データが基地交付金の手厚さが虚構であることを導き出した。
 普天間飛行場の県内移設と符節を合わせて拡充されてきた北部振興策などの財政措置を合わせても、沖縄振興予算は大きく減っている。
 永田町・霞が関から国民全体に流布されている「基地で潤う沖縄」の誤った常識は覆された。
 固定資産税の代替財源の基地交付金は「国有提供施設など所在市町村助成金」である。県内23市町村に配分された2010年度の交付金と、固定資産税相当額の差は28億円を超えた。うち17自治体が税相当額を下回っている。
 兵士ら米軍関係者は、地位協定関連法によって、所得税、住民税、固定資産税などを免除されている。基地でないならば、地方自治体は固定資産税以外にも、住民税、法人市民税などが得られる。
 基地交付金は地方税収が欠けた分に対する穴埋めの性格がある。固定資産税だけで、2分の1以上の“不足”があるならば、税収欠損はさらに膨らむことが確実だ。
 基地交付金の配分基準には不透明さが付きまとう。浦添市の2倍の基地面積を抱える宜野湾市の基地交付金は浦添市の2分の1にとどまる例も氷山の一角と言えよう。
 米軍資産評価などの基準が示されない交付金の算定手法は、政治積算を疑わせるブラックボックスのようなものだ。国民の税金の使途としても適切でない。国は算定基準を公開すべきだ。