オスプレイ配備 普天間撤去の前に閉鎖を

 米軍普天間飛行場の危険性を増大させる動きが具体化してきた。垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備を近くゲーツ米国防長官が北沢俊美防衛相に正式に伝えるというのだ。
 オスプレイは開発段階で4回墜落し30人の死者を出している。2007年の実戦配備後も10年4月にアフガニスタン南部で墜落、4人が死亡した。県民の生命を脅かす軍用機の配備は断じて容認できない。

 許し難いのは、「開発段階で墜落が相次いだとはいえ、米軍が実戦配備している装備を『危険だ』と拒むのは難しい」として防衛省幹部が早くも受け入れる姿勢を見せていることだ。
 日米安全保障条約の実施に関し米軍の装備に重要な変更があるときは事前協議の主題とすることが日米間で合意されている。オスプレイ配備はCH46ヘリからの機種更新で「重要な変更」に当たらず、拒否する法的権限もないというのが日本政府の見解だ。
 いずれにしても、ただでさえ危険な普天間飛行場をさらに危ない施設にするのは間違いない。県民にとって死活的な意味を持つ装備変更となる。たとえ権限はなかったとしても国民の安全を守る観点から配備を見合わせるよう主張するのは政府として当然の務めだ。
 宜野湾市の真ん中に位置する普天間飛行場は、住宅地の上を飛ばない限り航空機が離着陸できない。04年には同基地を発着する米軍ヘリが沖縄国際大学の構内に墜落、炎上した。民間人に死傷者が出なかったのは奇跡だ。再び事故が起きれば今度こそ大惨事につながりかねない。この上、オスプレイを常駐させるなど論外だ。
 この間、普天間基地所属の航空機は訓練などでたびたび国外に派遣され、実質的に飛行場がもぬけの殻に近い状態になることもあった。そのような基地がどうして抑止力として機能するのか。米国が代替施設に固執するのは太平洋戦争の「戦利品」にも等しい米軍基地を失いたくないからだろう。
 県外、国外への移設ができないまま、ずるずると危険を放置するのは許されない。普天間飛行場は移設の成否にかかわらず一刻も早く閉鎖状態にすべきだ。
 政府、とりわけ外務、防衛両省は米国の要求なら何でも是認する受動的な態度を改め、気概と気迫を持って米国と交渉してほしい。