オスプレイ配備伝達 基地閉鎖で命守るしかない

 沖縄防衛局は6日、米海兵隊が垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを2012年から普天間飛行場に配備する方針であることを、県や関係自治体に正式に伝達した。開発段階から墜落事故を繰り返し、米国の数々の機関が危険性を指摘する新たな軍用機の配備は、政府が取り組む沖縄の基地負担の軽減に逆行するものだ。県や自治体などが「地元軽視だ」と猛反発するのは当然であり、断じて容認できない。

 オスプレイは開発段階で4回墜落し、30人が死亡。昨年4月にはアフガニスタンでエンジントラブルから墜落し、米兵ら4人が死亡し、多数が負傷した。米国防総省が今年1月にまとめた報告書は、エンジンや飛行制御システムの欠陥などを指摘。技術的な問題に加え騒音も問題視されており、米国内では住民の反発で訓練が中止に追い込まれる事態も発生した。
 問題が山積するオスプレイ配備を日本政府が唯々諾々と受け入れることは、県民のみならず国民に対する欺瞞(ぎまん)と背信にほかならない。
 1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告の草案ではオスプレイ配備は明記されていたが、沖縄の反発を恐れた日本が最終局面で記述に反対し、削除された。情報をひた隠しにし、住民不在の日米合意優先の姿勢だけが浮かび上がる。日本政府に国民の生命と財産を守るという責任感と使命感があるのなら、配備を見合わせるよう米側に主張すべきだ。
 日本政府はこれまで、既定路線である配備計画について「計画は承知しているが、米側から正式な通報はない」(北沢俊美防衛相)の一点張りで、地元への具体的な説明を避けてきた。県側は安全性に強い疑念があり、危険性が増すとして一貫して反対してきたが、日本が米側に対し、沖縄側の疑問をぶつけた形跡はうかがえない。
 住民の安全を二の次にして、米側の顔色をうかがいながら意図的に問題を先送りしてきたのは言語道断だ。地元への伝達は、配備が来年に迫り、もはや隠し通せなくなったため、つじつま合わせをしたにすぎない。
 市街地の中心に位置し、ただでさえ危険な普天間飛行場に、欠陥を抱えるオスプレイを配備すること自体、正気の沙汰ではない。軍用機開発の実験場にするようなもので、住民の命を危険にさらすだけだ。普天間の閉鎖・撤去で安全を確保するしかない。