飛行経路修正 「うそ」がまた暴かれた

 政府の説明の「うそ」がまた一つ暴かれた。米軍普天間飛行場代替施設の飛行経路のことだ。次回の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で日本側は、飛行経路が楕円(だえん)形だと認める方向という。
 従来、政府は地元に対し飛行経路は台形と説明してきた。だが米側は「飛行機が台形に飛べるはずがない。沖縄に正直に説明すべきだ」と指摘、楕円形を主張していた。

 結局は米側の指摘通りだったということだ。その結果、飛行経路は膨らみ、騒音影響地域も大きく広がる。移設の悪影響を小さく見せようとしてきた政府の説明の姑息(こそく)ぶりは隠しようもない。
 この政府は国民にいったい幾つの虚偽答弁を重ねてきたことだろう。垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備にしてもそうだ。1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告の草案では配備を明記していたのに、成案では削除したことが分かっている。
 当時、オスプレイは事故を繰り返し、「欠陥機」の認識が広がっていたが、政府は配備について「何ら具体的な予定はない」と繰り返していた。これを隠蔽(いんぺい)と言わずに何と表現すればいいか。
 国民をだます政府・官僚に、国民を代表する資格はない。移設交渉に携わってきた全ての防衛・外務官僚と政治家を今後、日米交渉から排除すべきだ。
 今回の飛行経路修正で辺野古移設はより不可能になった。普天間の現状固定化はもっと論外だ。
 日米両政府は2007年に普天間の飛行経路を見直し、住宅密集区域を避けて飛行していると主張するが、地元の宜野湾市は経路の逸脱を指摘している。両政府は場周経路も飛行場上空に収まっていると説明するが、地元は全く収まっていないと訴えている。
 取り決めが実効性に乏しいのは騒音防止協定も同様だ。嘉手納も普天間も夜間の飛行は原則禁止にしたはずだが、実際には全く守られていない。
 日米地位協定で基地の排他的管理権を米国に認め、米軍の思うままの使用を許している以上、取り決めに効力があるはずもない。
 政府がうそを繰り返し、被害防止の合意は守られないのでは、今後、移設案をめぐり政府が騒音・安全対策をどう言い募ろうと、信用する人はいるまい。実現性のない県内移設は県外・国外移設に仕切り直すのが問題解決の近道だ。