2プラス2 民主政治蝕む歴史的汚点

 日米両政府は21日、ワシントンで外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)を4年ぶりに開き、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画の推進を確認し、代替施設を海面の埋め立て工法により滑走路2本のV字形にすることを決めた。普天間の県外、国外移設を求める沖縄の圧倒的な民意を意図的に無視しており、到底、承服できない。

 普天間移設をめぐってはこの間、沖縄の政治状況や米議会の現状認識も大きく変化した。にもかかわらず、合意内容は4年前にタイムスリップしたかのようだ。民主党政権になって初開催だが、政権交代がもたらしたものは、露骨なまでの沖縄の頭越し決定であり、民主主義とは程遠い国家権力の暴走である。
 日米両政府が合意した現行計画については、レビン米上院軍事委員長が「幻想だ」と喝破し、7月に就任するパネッタ次期米国防長官は再検討し、計画通りに進めるか就任後に判断する考えを示している。そもそも知事や地元の名護市長が反対する移設計画だ。実現の見通しも立たない中、工法や形状など細部を詰めること自体、無駄、無気力、無責任の極みだ。
 2プラス2では、災害救援拠点を日本国内に設置することの重要性でも一致した。具体的な場所こそ明記されていないが、北沢俊美防衛相の一連の発言から、宮古島市の下地島を想定していることは容易に想像できる。
 北沢氏は災害拠点について、無人機やロボットの訓練基地を整備する意向を示した上で「継続的な運用は自衛隊のような組織でなければ維持できない」との認識も示している。国際支援の美名を掲げてはいるが、実質的な自衛隊配備だ。本質を糊塗(こと)し民間使用に限定されている下地島空港の軍事利用に道を開く施策は、言語道断だ。
 災害拠点については県民や国民への説明は一切なく、国会審議もなされていない。どこに設置するにしても海上保安庁や消防などを網羅した非軍事的な国際貢献で、基本構想を示すのが先だ。自衛隊ありきは国際社会を欺き無用のあつれきを生むだけだ。
 共同文書は「より深化し拡大する日米同盟に向けて」との副題が付くが、絵空事のように空虚に響く。沖縄の基地負担軽減に逆行する合意は同盟関係の劣化にとどまらず、民主政治を蝕(むしば)む汚点として歴史に刻まれることだろう。
英文へ→“2+2” – a black mark on history that undermines democracy