空自F15墜落 軍民共用の危うさ再び

 那覇空港を飛び立ってから三十数分後、航空自衛隊那覇基地のF15戦闘機が東シナ海で墜落した。
 安否が気遣われる操縦士に異変が起きたのか、機体に何らかの異常が生じたのか。原因究明と再発防止策の確立とともに、軍民共用が続く那覇空港の運用の在り方を根本から見直す必要がある。

 2009年1月から約20機が順次配備されて以来、初めての墜落事故は沖縄の空の安全性への懸念を広げた。旅客需要に伴って離着陸の過密度が増す那覇空港では、自衛隊機と民間機が共用する危険性は繰り返し指摘されてきた。
 4機による空中戦訓練のさなか、訓練中止を知らせる緊急連絡の後、事故機は緩やかに高度を下げていったという僚機の目撃証言がある。
 陸域から離れた空域で発生していても重大性は変わらない。翁長雄志那覇市長の「危険と隣り合わせ」という指摘は的を射ている。
 那覇空港は、空自機に起因する事故や滑走路閉鎖がしばしば起きてきた。1985年5月には、滑走路上で空自のF4戦闘機と全日空機が接触し、F4の操縦士らの有罪判決が確定した。
 昨年は空自F15のパンクや緊急着陸で少なくとも3度、滑走路が閉じられ、民間空路に影響が出た。領空侵犯を警戒する緊急発進により、民間機の離着陸が待たされる事態も恒常化している。
 沖縄観光の着実な成長に伴う旅客増により、2009年度の那覇空港の民間機の年間離着陸は、国内5位の約12万7千回に及ぶ。
 滑走路が1本しかない空港では福岡空港(約13万6千回)に次ぐが、那覇空港は年間2万回を超える自衛隊機の離着陸が加わる。福岡空港も空自の輸送ヘリなどが使用するが、飛行頻度はF15戦闘機が飛び交う那覇の比ではない。
 那覇空港の滑走路が最も過密であることはほぼ間違いない。
 県民はF15を抱える危うさを認識している。米軍嘉手納基地では79年の配備以来、9機が墜落しているからだ。
 需要増に対応する沖合への滑走路増設に向け、国の調査が進んでいるが、もはや待ったなしである。島嶼(とうしょ)防衛の強化を掲げる防衛省内にはF15を30機に増やし、さらに機能強化を図る計画さえある。
 沖縄観光の玄関口であり、県民生活を支える空港の軍民共用は限界に達している。滑走路増設と民間専用化は一刻を争う課題だ。