普天間問題 基地なくす外交構想力を

 米政府の再検討があらぬ方向に進まぬよう警戒が必要だ。日米両国には米軍普天間飛行場問題の解決で発想の転換を強く求めたい。
 次期米国防副長官に指名されたアシュトン・カーター国防次官が、普天間飛行場の名護市辺野古移設計画などの再検討を示唆した。普天間の嘉手納統合や在沖海兵隊のグアム移設計画見直しを求めるレビン上院軍事委員長の質問に答えた。

 普天間飛行場の「固定化回避」を名目に辺野古移設に固執する日本側に対し米側は柔軟に見える。が、実際は巨額の財政赤字を背景とした国防予算の削減が優先で、沖縄の県内移設反対論とは異質だ。
 仲井真弘多知事はじめ県内全首長、大多数の県民は辺野古移設に反対し、普天間飛行場の県外・国外移設、閉鎖・撤去を求めている。民主主義国なら民意が最大限尊重されてしかるべきだ。
 周辺に住宅や学校、事業所などが密集する普天間飛行場は、米本国の基準では即刻運用が差し止められる不適格基地だ。米国で許されないことが、沖縄でまかり通ってはなるまい。県外・国外に移設先を確保できないなら、普天間は閉鎖・撤去するしかない。
 時代は「9・11テロ」とその後の10年を教訓に、人種や宗教の違いを超えた人類の共生を求めている。発想を転換して時代に適合した国際的な安全保障を再構築し、その先に、普天間問題解決の新しい糸口を見いだしたい。
 歴史的なプラハ演説で「核なき世界」を提唱したオバマ米大統領は核廃絶を加速すべきだ。米国の「核の傘」に依存してきた日本も唯一の被爆国として、重大な原発事故を招いた国として、核廃絶に使命感を持って取り組むべきだ。
 日本が中国との経済的な相互依存関係を背景に「戦略的互恵関係」を強調する一方で、「日米同盟深化」のてことして中国の脅威をあおるのは二重基準だ。
 日米両国は軍事偏重の外交・安保政策から脱却すべきだ。成長センターとして可能性を秘めたアジア地域の環境変化に適合した、重層的な外交を関係各国と築きたい。
 日米両国も基地自由使用の保証が「同盟深化」につながるとの視野狭窄(きょうさく)に陥ってはならない。国際社会がテロ根絶や財政危機に直面する折、日米中の軍事消耗戦を望む国などあるまい。基地を不要とする外交構想力こそ時代は求める。