普天間閣僚会合 大臣は官僚のロボットか

 米国にへつらう外務、防衛両省が決めた方針を無批判に追認し、自らの頭で考えようとしない。野田政権は、鳩山、菅両内閣同様、2009年衆院選で民主党が公約した「政治家主導の政治」とは正反対の方向に突き進んでいる。

 藤村修官房長官、玄葉光一郎外相、一川保夫防衛相、川端達夫沖縄担当相、安住淳財務相が、沖縄政策をめぐる関係閣僚会合で、米軍普天間飛行場を名護市辺野古に移設する日米合意の順守を確認したからだ。
 昨年まで「沖縄の状況から県内移設は無理」などと発言していた斎藤勁(つよし)官房副長官も「日米合意が前提」と記者会見で述べた。民主党には官僚をコントロールし米国と渡り合うだけの気骨と力量のある政治家はいないのか。
 安全保障政策に関しては、歴代の外相、防衛相(防衛庁長官)の大半が、あたかも省庁の振り付け通りに動くロボットだった。思考を停止し全てを官僚任せにした結果、沖縄への基地一極集中という構造的差別を助長した。問題が起きたときに責任を負うのは政治家であり、糸を引く役人ではない。言いなりになるのは愚の骨頂だ。
 在沖米軍施設・区域の総面積は2万3293ヘクタール。人口が集中する沖縄本島は18%余が軍用地だ。約480ヘクタールの普天間飛行場は県内の基地面積の約2%にすぎない。閣僚たちは「普天間」を県外に移せば沖縄の基地の大部分がなくなると勘違いしているのではないか。
 沖縄には極東最大の米空軍基地・嘉手納飛行場(1985ヘクタール)があり、さまざまな基地被害をもたらしている。全国の米軍専用施設面積の4分の3を押し付けられている沖縄から見れば「普天間」の返還はささやかな望みだ。県内に移せなければ危険な基地を固定化させるという発想は乱暴であり人道にも反する。
 今や大多数の県民が県外・国外への移設や無条件の返還を求めている。県内移設が事実上不可能なのは、仲井真弘多知事が繰り返し指摘している通りだ。だが野田佳彦首相は16日の参院本会議で、オバマ米大統領との首脳会談で日米合意の推進を再確認する意向を表明した。
 早くも主体的に判断することをやめてしまったのか。今からでも遅くはない。「米軍再編の見直し」という政権公約を思い起こし「県外・国外」へと舵(かじ)を戻してほしい。