大統領発言 政府は修正求めないのか

 日米首脳会談でのオバマ米大統領の発言内容について、米国政府が事実をゆがめて公表していた可能性が濃厚になってきた。
 21日(日本時間22日)の首脳会談後、米国のキャンベル国務次官補は、米軍普天間飛行場の移設問題に関し「われわれは結果を求める時期に近づいている。それは大統領からも明確にあった」と報道陣に説明した。これを受け、日本のメディアの多くが「結果を求める時期が近づいている」と大統領が日本側の努力を求めた―などと報じた。

 だが野田佳彦首相は26日の衆院予算委で「時期がうんぬんというのは多分、大統領本人というよりもブリーフ(説明)をした方の個人的な思いの中で出たのではないかと思う。大統領の話は『進展に期待をする』という言い方だった」と明言、報道されている内容を否定した。
 「結果を求める時期が近づいている」と言われれば、早期解決を迫られたような印象を持つ。「進展に期待する」という表現とはニュアンスが違ってくる。首相が国会で虚偽の答弁をするとは思えない。日本の世論を県内移設容認へ誘導しようと米国が情報操作を図った可能性も否定できない。
 不可解なのは外務省の反応だ。幹部職員が会談に同席し、大統領の発言を正確に把握していたにもかかわらず、事実と異なる情報が独り歩きするのを黙認した。情報操作の片棒を担いだも同然だ。
 内容が間違って伝えられたのだから、米国務省に抗議して修正を要求するのが筋だろう。米国が「白」と言えば黒い物でも「白」と言わなければならないとすれば、これほど情けない話はない。
 そんな当たり前の指摘さえできないようでは、民主党がマニフェスト(政権公約)に掲げた「緊密で対等な日米関係」など、永遠にお題目のままだろう。
 首相は「負担軽減を図ることを沖縄県民に誠心誠意伝えて理解を得たい」とオバマ大統領に説明したという。
 現実を直視し「県民の大多数は県外移設または無条件返還を求めている。県内移設は不可能だ。県外か国外に移したい」とどうして率直に切り出せないのか。
 米政府高官の思いが大統領発言として伝えられるのは、日本が軽く見られているからにほかならない。主張すべきことは堂々と主張する姿勢を持ってほしい。