給食食材対策 子どもの食の安全は万全か

 福島第1原発事故以降、目には見えない放射能汚染から、いかに身を守るかが喫緊の課題となっている。事故現場から海を隔てて遠く離れた沖縄も対岸の火事ではない。汚染食品を食べて内部被ばくするリスクがあるからだ。とりわけ、放射線の影響を受けやすいとされる子どもたちの安全を確保する責務がわれわれ大人にはある。

 子どもたちに学校給食を提供する県内41市町村の教育委員会を対象にした放射能対策に関する本紙アンケートで、子どもたちの健康の確保に腐心する一方で、国の暫定基準値に対する不信など、給食の安定供給で苦悩する実態が浮き彫りになった。
 現場の戸惑いは、食品の安全性確保について、国の対応が後手後手に回っている証左にほかならない。国内では食品に含まれる放射性物質の基準値がなく、原発事故後にセシウムの場合、水や牛乳は1キログラム当たり200ベクレル、野菜類や肉・卵・魚などは同500ベクレル―などの暫定基準値が設定された。
 だが、チェルノブイリ原発のあるウクライナの隣国で被害が深刻だったベラルーシでは、子どもが摂取する食品は37ベクレルと厳しい基準値が設定されており、日本の基準は甘過ぎるとの批判が付きまとう。
 厚生労働省は現行の食品の基準値を厳しく見直す方針で、来年4月出荷の適用を目標にするが、スピード感に欠ける。国民が納得できる防護基準を早急に設定するとともに、国の責任による安全確認検査の拡充をはじめ、食品の出荷体制に万全を期す必要がある。
 県内では給食食材の調達に当たり、全ての教委が独自に制限や条件を設ける一方で、野菜や果物を中心に放射能検査対象地域(17都県)から仕入れている市町村が多いことも分かった。大量の食材を確保しつつ、費用の高騰も避けなければならないためだ。
 17都県から仕入れる場合は全ての市町村で「基準値以下」など検査確認を徹底しているが、保護者側には県独自の食品基準「沖縄ライン(ゼロベクレル)」の導入など徹底対応を求める声もある。
 学校現場の混乱を回避し、保護者の不安を極力取り除くためにも、確認検査や産地表示の在り方など給食食材のガイドラインも必要だろう。風評被害という言葉を独り歩きさせないためにも、国は、親たちが安心、安全を実感できる仕組みづくりを優先すべきだ。