オスプレイ 欠陥機容認は人命軽視だ

 こんな危険なものを、沖縄に配備するわけにはいかない。多くの県民があらためてそう思ったことだろう。米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイのことである。
 「世界一危険な飛行場」にこれ以上の危険を加えるのは許されない。米軍は普天間飛行場への配備計画を直ちに中止すべきだ。

 日本政府は米軍ヘリ沖国大墜落事故後の報告書で「ヘリは緊急時にもオートローテーション(自動回転)機能で飛行場への帰還が可能」と述べ、それを普天間飛行場でのヘリの飛行再開を認める根拠としていた。
 ところがオスプレイについては、米国防総省付属機関・国防分析研究所(IDA)で1992年から17年間、オスプレイの技術評価を担当した元主任分析官レックス・リボロ氏が米下院の公聴会で「オートローテーション機能の欠如」を「重要な問題点」と明らかにし、「飛行中にエンジンが停止した場合の緊急着陸機能が欠如している。人命軽視の軍用機だ」と証言した。
 日本政府も昨年7月の答弁書でオスプレイについて「全エンジンが不作動になった状態でオートローテーション飛行に移行しない場合、安全な着陸に支障を来す可能性がある」と述べている。
 今回、米ミラマー基地所属の操縦士は、飛行中にエンジンが停止した場合、「ヘリモードには戻せない」と説明、回転翼が前向きのまま緊急着陸する場合は回転翼が外れる仕組みになっていると明らかにした。すると、回転翼が滑走路周辺に飛散することになる。
 米軍は早ければ今年夏にも普天間飛行場に配備する予定だが、間近の宜野湾市内だけでも19の小・中・高校・大学が存在する基地にこのような機種を配備するとは、暴挙以外の何物でもない。
 もし米国内で、普天間と同様に市街地と至近の基地があるなら、そこにオスプレイ配備はできないだろう。米国が民主主義国家を自認し、沖縄への人種差別を否定するなら、配備中止は当然の帰結であるはずだ。
 日本政府も、自動回転機能をヘリ運用の根拠としている以上、緊急時にその機能を持たないオスプレイの普天間配備は拒否するのが当然だ。手をこまぬいていると不作為の罪を免れない。
 政府には国民の生命を守る義務がある。宜野湾市民も同じ国民だと思うのなら、毅然(きぜん)として米側に配備中止を申し入れるべきだ。