基地県内統合 危うい負担の半永久化

 在日米軍再編計画の見直し協議で普天間飛行場移設と切り離された嘉手納飛行場より南の5基地の返還について、真部朗沖縄防衛局長が「必要な機能は残る」と述べ、機能維持を条件とした返還を想定していることを明らかにした。

 対象基地の機能を既存施設に移転・統合する計画を作成中というが、新計画で嘉手納より南の施設の返還が進む代償として、中部以北の基地固定化と住民負担の悪化・半永久化を招いてはならない。
 2006年の米軍再編最終報告は、5基地の返還について「返還対象となる施設に所在する機能および能力で、沖縄に残る部隊が必要とするものは沖縄の中で移設される」と明記している。
 日米は先の米軍再編見直し合意の際「沖縄の負担軽減につながる」と進展を演出したが、在沖海兵隊の1万人規模の駐留継続でも合意した。既に「負担継続・増加」の矛盾を抱え込んでいる。
 真部局長は「施設」と「機能」の統合も明言した。仮に数千人規模の部隊とこれに付随した機能・施設の移転となれば、新たに大掛かりな土地造成、隊舎増設などの可能性も否定できない。米軍が移設条件を付けるのは常とう手段だが、もし実質的な基地新設に相当するような統合・移転であれば新たな火だねになるだろう。
 1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告は、返還に合意した11施設(約5千ヘクタール)のうち7施設が移設条件付きであった。これまでに返還されたのは、昨年7月に全面返還された金武町のギンバル訓練場を含め約403ヘクタールで予定面積のわずか8%だ。
 ほかに全面返還が実現したのは楚辺通信所、読谷補助飛行場、瀬名波通信施設、部分返還がキャンプ桑江。普天間飛行場や那覇軍港などの返還が遅れたのは、県内移設の条件に加え、合意の枠組みがSACOから米軍再編へ移り、普天間の名護市辺野古移設と「一括実施(パッケージ)」とされたためだ。
 対米交渉で、政府は基地の「返還」「縮小」の表現を避け、「統合」で折り合いをつける傾向が強い。既得権益の喪失を嫌う米側への配慮だろうが、裏を返せばこれは地元軽視にほかならない。
 政府は対米交渉で地元重視を貫き、実質「返還・大幅縮小」を勝ち取ってほしい。「移設」をめぐりこれ以上、混乱は避けるべきだ。