米軍再編見直し ごまかしは通用しない

 米軍基地の重圧に苦しむ沖縄県民の負担軽減に取り組む意思が、本当にあるのか。この国の米国に対する外交姿勢は疑問だらけだ。
 国は在沖海兵隊の定員数をこれまで1万8千人と説明してきたが、それより3千人多い疑念が出てきた。沖縄の負担軽減のため海兵隊のグアム移転を追求していたはずなのに、肝心の定員数をごまかし、実態を不透明化するとはどういう了見か。日米共同の詐欺的行為ではないか。

 玄葉光一郎外相は2011年段階で米側から在沖海兵隊の定員数は2万1千人と説明されたことを、国会答弁で明らかにした。その数字は2月3日の外相会見でも出たが、外務省は同省ホームページから削除した。
 外務省は「正確ではないと判断して削除した」とし、外相も「毎年変わっている」と発言を後退させた。定員数はどれだけなのか。小細工せずにきちんと説明すべきだ。
 06年の米軍再編ロードマップ(行程表)では8千人がグアムへ移転し、沖縄には1万人規模が残るとされた。再編見直しで移転数が4700人に減り、06年時点より定員自体が増えたとなると、いったいどれだけ沖縄に残るのか。
 それにしても、こんな数字の帳尻合わせが公然と行われた例はあまり記憶にない。日米外交の劣化は目を覆いたくなる。この期に及んでなお、日米両国が説明を避けることは、再編見直し協議の欺瞞(ぎまん)性を自ら認めるに等しい。地元への丁寧な説明を怠ったり、数字がころころ変わったりするようだと、日米両政府の言うことは誰も信用しないと自覚すべきだ。
 就任後初来県した岡田克也副総理は、米軍普天間飛行場への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備を既存のヘリの「置き換え」とし、地元の配備中止の訴えを一蹴した。岡田氏には欠陥機による被害増大を懸念する住民への配慮も、「国民の生活が第一」という政権公約を守る意思も、感じられない。
 岡田氏のオスプレイの「置き換え」発言は、住民の不安を顧みない妄言だ。純真な子どもたちにも面と向かって同じことを言えるのか。また配備が単なる置き換えなら、なぜ普天間への配備計画をひた隠しにしてきたのか。
 県民の声に耳を傾けるという野田佳彦首相の言葉が空虚に響く。民主党政権は自国民を守らず、いったい何を守るのか。