米軍再編見直し 許せぬ固定化ロードマップ

 25日に公表される在日米軍再編見直しに関する日米両政府の共同文書に、普天間飛行場の補修と日本側の経費一部負担が明記されていることが分かった。米側の要求に日本政府が折れた格好で、圧力を毅然(きぜん)としてはねのけることができず、のみ続ける政府の姿勢がまた露呈された。

 米側は2012年度から8年間で総額200億円の大規模な改修を計画。滑走路の路肩やオーバーラン部分を含め19年度までに全面的に補修する計画を日本に提出していた。これに対し、日本側は「普天間固定化を印象付けかねない」と即座に具体化することを拒否。普天間の安全性確保を口実とした補修方針と日本の一部負担だけの明示にとどめ、辺野古移設計画の堅持を付記した。
 米の普天間大規模補修計画が明らかになって以来、日本政府は「普天間固定化」の印象を避けることに腐心してきた。しかし今回、共同文書に明記した大規模補修は、普天間固定化以外の何物でもない。断じて容認できない。
 補修計画の裏には、辺野古移設に見切りを付け、長期にわたって普天間飛行場を継続使用しようとする米政府の思惑がある。日本政府はそれを受け入れたに等しい。両政府の行為は、住民の早期閉鎖・返還の願いや安全を顧みない暴挙というほかない。
 共同文書には、キャンプ瑞慶覧内の米軍住宅跡地の一部早期返還も明記された。面積は55ヘクタールで同基地全体の8・5%にすぎない。
 日米両政府は本島中南部の米軍5施設・区域の返還計画を今秋までに策定する。だが、米側は5施設・区域の返還について、普天間の辺野古への県内移設が前提との立場を崩しておらず、返還計画を作っても「絵に描いた餅」になる可能性がある。
 キャンプ瑞慶覧内の返還地については、跡地利用の効果を疑問視する声もあるという。これからも今回のような「細切れ返還」が続くのか。両政府は面積に関係なく「返還するだけまし」というおざなりの対応で、これ以上、日米関係を劣化させてはならない。
 今回の共同文書で普天間固定化の道筋が一層色濃くなった。普天間固定化のロードマップを示したに等しい。このようなロードマップが実行されることを断じて許してはならない。