オスプレイ前倒し 命脅かす暴挙止めよ

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間飛行場への配備計画について、米側が今年秋としていた計画を前倒しして7月に配備することを日本政府に伝えた。11日にモロッコで墜落事故を起こし、事故原因も明らかにされていない中での強行配備である。

 県民の命を危険にさらすオスプレイ配備は、断じて認められない。米側は、前倒しはおろか普天間配備計画を直ちに撤回すべきだ。日本政府も断じてこれを容認してはならない。
 試作段階から度々事故を起こすなどその危険性が指摘されてきたオスプレイだが、いまだに安全性が確保されていないことは、先のモロッコでの墜落事故を見ても明らかだ。米軍は、老朽化しているCH46中型輸送ヘリの代替機として必要だとしているが、そうだとしたら筋違いも甚だしい。米側は、事故の原因究明と安全性確保に全力を挙げるべきであり、普天間飛行場への配備前倒しなど論外だ。
 それにしても、墜落事故からまだ日が浅い中で、ひそかに普天間配備の前倒しを情報交換する日米当局者の感覚には、背筋が寒くなる。PAC3の配備協力に対する関係自治体への「お礼参り」で来県した田中直紀防衛相は、今回のオスプレイ前倒し配備には滞在中一切触れなかった。その不誠実さはいまさら指摘するまでもないが、これで政府方針への県民の理解と協力が得られるとはゆめゆめ思わぬことだ。
 日米が配備を検討していた本州の米軍基地での先行駐機を、受け入れ態勢に問題があるとして断念したことにも矛盾を感じる。問題があるのはどこも同じだ。沖縄だけは許されるとでも言いたいのか。米軍基地問題に横たわる「沖縄差別」がここにも垣間見える。
 普天間飛行場への前倒し配備の報道を受け、宜野湾市の佐喜真淳市長は「事実であれば遺憾。許されるものではない」と断固反対の姿勢を示した。6月にはオスプレイ配備に反対する市民大会を計画している。命を脅かす日米の暴挙を止めるため県民の強い意志を示したい。
 普天間飛行場は今後複数年にわたって補修が予定されている。オスプレイが配備されれば、ますます機能は強化され、住民の基地被害も増えよう。米軍優先か、住民の生命・財産を守るのか、政府が出すべき答えははっきりしている。普天間はもはや閉鎖するしかない。