平和行進開始 本土復帰の内実見つめよう

 沖縄が本土に復帰した5月15日の記念日を前に、沖縄の基地重圧と平和を目指す行動の大切さを見つめ直す「5・15平和行進」が6日、与那国島で始まった。
 1972年に復帰が実現する前、県民は「基地のない平和な沖縄」を切望した。平和行進には、その悲願を実らせる意思を再確認し、日米政府による沖縄への基地押し付けや、復帰の内実を問う意義が宿っている。

 復帰40年を迎える今年は、南西諸島の防衛力強化と称した、陸上自衛隊配備計画が進む与那国島が初めてコースに入った。
 100人超の参加者が島内を巡り、陸自配備予定地などで「沖縄に基地はいらない」と気勢を上げた。
 「復帰して40年、私たちが住むことで島を守り、隣国と仲良くしてきた。突然、自衛隊を置けば紛争の火種になる」
 行進に参加した与那国町在住の女性の言葉を重く受け止めたい。
 尖閣諸島の領有権問題を背景に、政府は海軍力を強める中国に対抗心をあらわにしている。だが、外交努力によって緊張の根を和らげる戦略は希薄で、南西諸島の自衛隊強化をめぐる国会論戦も乏しい。
 こうした状況で、自衛隊配備が既成事実化されることがあってはならない。沖縄社会にとっても、自衛隊との向き合い方が問われる。
 軍事に頼らない平和構築の営みをあくまで追求する意思を行進の中で再確認し、強めてほしい。
 東西と南の3コースを歩く沖縄本島での行進は11日に始まる。
 昨年は東日本大震災から日が浅く、本土への組織的な参加呼び掛けを取りやめたが、今年の申し込みは既に1300人を超えた。
 県外参加者は、国土の0・6%の県土に居座る米軍基地の実態を目と耳に焼き付け、相互理解を深める意義をかみしめてもらいたい。
 13日には、普天間飛行場を抱える宜野湾市で県民大会が開かれる。
 米海兵隊は地元の反対を無視し、事故が相次いだ垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを7月にも普天間に配備する計画を立てている。6月に市民大会を開く宜野湾市は、配備を拒む姿勢を強固にしている。
 配備阻止は、今年の基地問題の最大の課題の一つだ。平和行進と県民大会を、軍事最優先の米軍基地運用に歯止めを掛ける契機としたい。とりわけ、県民の命と人権への脅威となるオスプレイ配備は何としても撤回させる必要がある。