復帰世論調査/不平等の根 断つ時だ 新基地拒む民意の反映を

 15日の本土復帰40年を前に、琉球新報社と毎日新聞社が合同で実施した世論調査は、米軍普天間飛行場の辺野古移設など、これ以上の基地重圧をきっぱり拒む沖縄の強い民意と、本土との認識の差を浮かび上がらせた。
 私たちはこの現実を直視しつつ、沖縄の基地問題を全国の課題として共有し、解決へ導く国民世論を粘り強く喚起したい。日米両政府には、沖縄の民意を反映した基地施策への転換を強く求めたい。

受け入れ難色の本土
 在日米軍基地の74%が沖縄に集中していることをめぐり、県民の69%が「不平等だ」と答えたのに対し、全国調査では33%と半数以下にとどまった。
 住んでいる地域に在沖米軍基地が移されることへの賛否を全国で問う設問で、賛成は24%だが、反対は67%に上った。
 米軍基地集中を「不平等」と回答した人のうちでも、自らの地域への基地移設反対は69%に上る。
 沖縄の過重負担を一定程度理解しても、基地受け入れには難色を示すのが本土の民意の現実だ。
 移設候補地に挙がった本土の自治体はすぐに反対を表明し、政府も断念する。だが、知事、議会、市町村長のすべてが県内移設に反対し、民主主義的な手だてを尽くす沖縄に対しては、日米両政府が県内移設をのませようとする。
 復帰から40年を経ても、結果的に本土は沖縄に基地を押し付け、自らの安全の踏み台にしている。今回の調査結果は県民の疑念と不満を映し出している。
 2010年4月に開かれた県外・国外移設を求める県民大会で、仲井真弘多知事は、基地集中に「明らかに不公平、差別に近い印象をもつ」と批判した。
 だが、翌5月末、普天間飛行場の「県外移設」を公約に掲げていた鳩山由紀夫首相はあっけなく名護市辺野古への移設に回帰した。
 そのころ、県内のラジオ番組でパーソナリティーが普天間移設問題をめぐり、こんなたとえ話をして共感を呼んだ。
 「沖縄の人が右手に重い荷物を持っていた。一緒に歩く本土の人に『ちょっと持ってくれない』とお願いした。本土の人は答えた。『何で、左手で持てばいいさ』。一緒に持ってはくれなかった」
 複雑な思いを抱きながら、うなずいた人が多かっただろう。
 「不平等」と「差別」は沖縄の基地問題を象徴する言葉として、知事をはじめ多くの県民が口にするようになった。

県民の決意揺るがず
 今回の調査で、普天間飛行場の辺野古移設をめぐり、「撤去すべきだ」「県外移設」「国外移設」が計89%を占めた。鳩山政権の辺野古回帰の際の84%を超え、同種調査で過去最高の数値だ。「県内移設ノー」は一層鮮明になった。
 さらに、普天間飛行場への危険な垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備計画に対し、9割の県民が反対し、全県的な反発の広がりが明らかになった。
 本土復帰への評価は全国、県民ともに8割が「良かった」と高い。それが、基地の過重負担の是認を意味しないことはもはや、分かり切ったことだ。
 県民は、経済振興策のアメによって基地受け入れを迫る手法を見限り、外交・安全保障で公正かつ平等な取り扱いを求めている。「基地のない平和な沖縄」への県民の決意は揺るがない。
 沖縄の基地負担への共感を国民全体にどう広げるかは、古くて新しい課題である。全国調査で、県内移設を否定する回答が63%に上ったことに望みを託したい。
 日米の政府と国民に訴える「自治体外交」的アピールと、沖縄に寄り添う人々を介した草の根の訴えはわずかずつだが、沖縄への関心を高めている。希望を見失うまい。沖縄は未来を開く岐路に立つ。強固な民意で「日米同盟」の不条理を突き崩したい。