墜落事故隠し オスプレイは飛ぶ資格なし

 この飛行機に果たして空を飛ぶ資格があるのだろうか。米軍普天間飛行場に配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイのことだ。2006年3月に米ノースカロライナ州で乗員が飛行準備中に突然離陸を始め、約9メートルの高さまで上昇後、地面に落下して機体の一部が損壊する事故が起きていた。

 修理費は約706万8千ドルかかっており、損害200万ドル以上のクラスAに該当し、本来なら公表されるべき事故だ。しかし海兵隊は「機体は離陸するはずではなかった」との理由で公表から除外していた。「事故隠し」以外の何物でもない。
 そもそも飛行させる意思がなかったのに、機体が勝手に離陸してしまう航空機など存在するのだろうか。こんな調子で「構造的な欠陥がない」などと言われて、誰が信じることができようか。
 10年に起きたオスプレイ墜落事故をめぐり「機体に問題があった」との調査報告を空軍上層部が「人為的ミス」に改ざんするよう圧力を掛けていたことも分かっている。
 米国防総省が今年4月と6月に起きた2件の墜落事故について「機体に問題はない」と強弁し、事態の収拾を図っているが、説得力のある根拠を示していない。
 伝えられていなかった情報はほかにもある。06~11年に発生の損害200万ドル未満やけが人発生の未公表のBCクラスの事故が28件起きていた。公表のAクラスの事故2件と合わせれば30件に上る。それ以前の開発段階には4件の墜落事故を起こし、乗員30人が死亡している。配備されているはずの機体が40機も所在不明との市民団体の情報もある。一体どこに安全を見いだせばいいだろう。
 今年発生した2件の墜落事故について森本敏防衛大臣はこれまで「機体が安全かどうか、見たことも乗ったこともないので、提供された情報以外に知識を持ち合わせていない」と、ひとごとのように説明している。
 06年の未公表事故、BCクラスの事故件数、事故報告の「人為的ミス」との改ざん圧力の事実は琉球新報がさまざまな情報を基に報道して明らかにした。しかし日米両政府はいまだにこの事実の十分な説明をしておらず、無責任だ。日米は都合の悪い情報を隠しても無駄だ。事故を起こす可能性のあるオスプレイが沖縄の上空を飛行することなど許されないと悟るべきだ。



琉球新報