首相追認発言 無責任配備は言語道断だ

 この人たちに果たして国民の生命、財産を守るという気持ちがあるのだろうか。
 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間飛行場への配備について、野田佳彦首相は「米政府の方針で、どうしろ、こうしろという話ではない」と述べ、日本政府としての判断をせず、米側の意向を追認する姿勢を示した。日本には国家主権など存在せず、米国の言いなりになる従属国家だと言うのだろうか。

 また森本敏防衛相は17日の閣議後会見でエンジン停止時に回転翼の空気抵抗で安全に着陸する機能の自動回転(オートローテーション)について、オスプレイの同機能に関する正確な情報を持っていないことを認めた。
 米国防総省の元主任分析官が同機の自動回転機能について「欠如している」と指摘し、同機開発の航空機会社も解説書で「自動回転機能に頼らない」と記している。
 それなのに防衛省の解説書では同機の自動回転機能を絵入りで紹介している。正確な情報も持たないのに、何を根拠にこうした説明をしているのか。安全を強調するだけの虚偽記載としか言いようがない。都合の悪い事実を隠して国民を欺くことは断じて許されない。
 その欠陥機を米国で搭載した貨物船が現在、試験飛行をする山口県岩国市に向けて洋上航行を続けている。岩国市でも反対の声が上がり始めた。16日の市民集会には約千人の住民が集まり、搬入阻止と配備反対を強く訴えている。当然の要求だろう。
 岩国市だけでなく、同機が低空飛行訓練を予定している全国各地でも反対の声が出ている。国民が示す不安を受け止めないまま、まるで人ごとのように対米追従を重ねる首相や防衛相の姿勢とのギャップはあまりに大きい。
 普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校で練習を重ねる少年野球チーム「少年翼」の児童は取材にこう語った。「米軍の飛行機の音をよく知っているので、いつもと違う音がすればすぐ気付く。危ない時は頑張って逃げれば助かると思う」と。
 首相に問いたい。あなたはこの児童の言葉をどう受け止めるのか。消費増税の時に見せた政治生命を懸けて、なぜ米側に配備断念を求めることをしないのか。それとも日米同盟の重要性に比べれば、沖縄の犠牲など大した問題ではないと考えているのか。