オスプレイ情報戦 配備ありきで納得できない

 米軍と海兵隊の幹部が最近、インタビューなどに応じ、10月に普天間飛行場での本格運用を目指している垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの安全性を強調している。
 デンプシー統合参謀本部議長は「人口の多い地域の近くでも安全運用できると保証したい」と強調し、エイモス米海兵隊総司令官は「事故率は他機種と比べても低い」と述べた。根拠をまともに示さず、何と厚かましい発言だろう。

 さらにグラッグ在沖米四軍調整官は共同通信のインタビューに対し、死者や200万ドル以上の損害が出た「クラスA」の10万飛行時間当たりの事故率でオスプレイがほかの米軍機と比べて低い部類に入ると指摘し「最も安全な航空機を開発できた」と胸を張った。
 しかし事故率が低いという主張はすでに破綻している。海兵隊が今月公表したMV22の2001年10月から12年7月にかけて起きた中・小規模のクラスB、Cクラスの飛行場での発生や飛行中の事故率をみると、海兵隊の航空機の平均を上回っている。
 また海兵隊はクラスAの分類を当初は損害100万ドル以上としていたが、09年以降は200万ドル以上に変更し、事故率を低く見積もるよう工作していた。数合わせのようなことをして「安全だ」と言われても誰が信用するだろうか。県民を愚弄(ぐろう)するにもほどがある。
 モロッコの墜落事故について米側は「マニュアルに反した操縦ミスによる事故で、機体に問題はなかった」としている。しかし海兵隊側はフライトコンピューターが制御していたことを説明し「今回の場合、操縦士に権限がなく、操縦かんを引いても機体を制御する動作が伝達できない」とも言っている。これで機体に問題がないと言われ、誰が納得できよう。
 人為的ミスだとしてもアフガニスタンのCV22の墜落事故はどう説明するのか。操縦していたのは指導員資格を持つ「空軍の中で最も経験豊富な優秀な人物」だった。指導的立場の操縦士が事故を起こすならば、米軍の操縦士の大半が「欠陥操縦士」ということにならないか。
 しかし、オスプレイについては米側の専門家から安全性への懸念が指摘されている。「安全」を強弁している場合ではないだろう。大事故を招く前に沖縄配備そのものを見直すべきだ。