基地共同使用 米国の「先兵化」は危険だ

 陸上自衛隊による在沖米軍基地の使用が急増している。日米の軍事一体化の進展は、自衛隊という日本の軍事力が、米国の思惑通りに使われる危険性を示している。

 まさに自衛隊の「先兵化」だ。米国の戦争に日本が巻き込まれる可能性が増したと言える。対米従属国家から早く脱しないと、沖縄が戦争に巻き込まれかねない。
 自衛隊が米軍基地を使う「共同使用」は、在日米軍再編に関する2006年の最終報告で方向性が示された。当時、防衛省はその狙いを「米軍基地の使い方を日本がコントロールするため」と説明していた。
 日米地位協定3条によって米国は、在日米軍基地を使いたいように使うことができる。いわゆる排他的管理権で、日本がくちばしを挟むことは許されないのだ。
 その基地を地位協定2条4項aまたはbに基づき、米軍の専用施設でなく自衛隊との共同使用基地にすることで、日本も基地管理に介入できることになる。基地問題の大半は排他的管理権に由来するから、共同使用でそれが克服できると防衛省は説明していたのだ。
 実態はどうか。キャンプ・ハンセンの共同使用は07年度の2回から11年度は102回にまで急増した。だが、基地の使い方に日本側は介入できず、山火事を起こす危険な演習はやりたい放題で、原野火災は07~11の5年間に68件も起きている。その前の5年が47件だから、かえって増えているのだ。
 嘉手納・普天間の爆音も相変わらずで、深夜・未明の飛行は繰り返され、110デシベルを超える殺人的爆音すら発生している。「基地被害防止へ向け日本が口を挟める」という言い分が、いかに虚構に満ちていたかが分かる。
 従来の米軍の演習に自衛隊の演習まで加わり、沖縄ではできなかった小火器の訓練までなされるようになった。沖縄の基地被害は減少どころか増大すらしかねないのだ。
 米国は軍事費削減が求められる中、日本に代替の役割を負わそうとしている。今後は基地の共同使用だけでなく合同訓練に至るのは必至だ。ゆくゆくは米軍の代わりに戦地へ派遣されることも想定される。
 オスプレイの配備一つ口を挟めない今の日本に、それを止める力はなく、その意思もないだろう。あまりに危険な状態だ。対米従属を超えた新思考を構築できるかが、県民、国民に問われている。