知事配備中止要請 民意無視し民主国家か

 配備反対の意志は繰り返し、丁寧に伝えてきた。それでも強行するというなら、それは問答無用ということなのだろう。
 仲井真弘多知事は、24日に森本敏防衛相、25日に藤村修官房長官と会談し、米海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間飛行場への配備中止を強く求めた。

しかし、配備を進める政府の意向に何ら変わりはなかった。今月中にも普天間飛行場への移駐を始めるという。
 こうした冷酷極まりない対応を、県民が黙って受け入れるとでも思っているのだろうか。墜落の可能性を否定できないオスプレイは、絶対にこのまま配備を強行してはならない。強行したならば、基地は県民にとって憎悪の対象でしかなくなる。それが知事の語った「全基地閉鎖への行動」につながり、不測の事態を引き起こす可能性もある。政府が取るべき道は、いま一度沖縄の声を真剣に受け止め、配備を中止することだ。
 県議会と県内全市町村がオスプレイ配備反対を決議し、9日の県民集会には10万人余が参加して配備反対の拳を突き上げた。その民意を受けて県のトップが「絶対に受け入れられない」と強く訴えている。民主主義国家であれば、普天間飛行場への配備は無理だと判断するのが道理だろう。
 疑問の多いオスプレイ「安全宣言」に続き、岩国基地での試験飛行強行。米国に隷従し、なりふり構わず配備への地ならしを進める政府の及び腰は、もはや主権国家の体をなしていない。県民への配慮を欠いた森本防衛相の暴論もあった。こうした沖縄差別ととれる政府の姿勢を、県民が容認し、やがてあきらめると思ったら大間違いだ。
 山口県と岩国市は、オスプレイが試験飛行中に、住宅地上空を飛行するなど日米の合意に反する飛行があったとして、防衛省に事実関係を照会中だ。事実であれば極めて憂慮される事態だ。「安全宣言」の信ぴょう性を含め、日米合同委員会の存在意義さえ問われよう。
 政府は、知事の要請をやり過ごして事が済んだとの認識なら改めめた方がいい。26日から、普天間飛行場ゲート前でオスプレイ配備阻止に向けた県民の座り込み行動が始まる。配備が中止されるまで、県民の強固な意志が弱まることはないだろう。日米両政府は今からでも配備中止を決断すべきだ。