米軍再発防止策 地位協定改定が不可欠だ

 米軍や日米両政府は何か勘違いをしていないか。米海軍兵による集団女性暴行致傷事件を受け、米政府と米軍が発表した再発防止策のことだ。在日米軍全兵士の一時的な深夜外出禁止などが柱だが、基本的に同様の重大事件が発生するたびに取られた措置であり、抜本的対策になるとは思えない。

 日本政府の対応もおかしい。森本敏防衛相は県が求めている日米地位協定の抜本的見直しについて「現時点で改定する考え方は政府内にはない」と述べた。しかし、このような対米従属的な考え方や姿勢が、米軍・米兵絡みの事件事故が繰り返される根本的な要因であることを日本政府は認識すべきだ。
 地位協定は前身の行政協定からの改定(1960年)時に、刑事裁判権をめぐる米軍人・軍属の公務中か否かの判断について、日本側が行うか裁定機関を設けるべきだとの要求が日本側にあったことが、外交文書で判明している。
 この時、米軍側に配慮する形で要求を抑えたのが外務省だ。こうした姿勢が米軍側の占領意識、植民地意識を助長し、同様の犯罪を誘発しているのだ。
 占領政策の延長線上のような決めごとが、今や時代遅れなのは明らかだ。「治外法権」「基地の自由使用」の特権をほしいままに傍若無人に振る舞う米兵や米軍組織の行動を規制し、事件事故を何としても抑え込む必要がある。
 綱紀粛正、運用改善など、姑息(こそく)で小手先の対策では限界がある。国民が公平に感じ、米軍に緊張感を持たすような、地位協定の抜本的改定が不可欠だ。
 1995年のきょう、在沖米軍基地の整理縮小と日米地位協定の見直しを求めて「県民総決起大会」が開かれた。言うまでもなく、米兵3人による少女乱暴事件を契機にした取り組みだ。そして今回、地位協定の見直しが進まない中で同様な事件が起きたのだ。
 米軍普天間飛行場の県内移設計画が続き、欠陥が指摘されるオスプレイが強行配備される中で起きた重大事件。県民の人権と尊厳は二重にも三重にも踏みにじられている。
 中部市町村会は18日の記者会見で「基地撤去まで訴えていかなければ根底から解決できない」と強調した。「県民総決起」は続いている。日米両政府は県民の積年の怒りと訴えを見誤ることなく、真摯(しんし)に受け止めるべきだ。