知事訪米要請 米国民主主義の真価問う

 訪米中の仲井真弘多知事が、米海軍兵士による集団女性暴行致傷事件に抗議し、米軍普天間飛行場の県外移設と垂直陸離着陸輸送機MV22オスプレイの配備見直しを米政府に初めて直接要請した。

 知事は要請の中で「基地にさまざまな意見はあっても、これまで沖縄県民が米兵に石を投げたりしたことはない。一方的に被害に遭っている」と述べた。非暴力的な沖縄の異議申し立てに十分思いを致せ―との知事の警告を米政府は真摯(しんし)に受け止めるべきだ。
 キャンベル国務次官補は今回の暴行事件について謝罪と悲しみを表明し、リッパート国防次官補は「日米同盟の強化に取り組んでいて沖縄を公平に扱いたい」とした。
 その謝罪、悲しみが本物なら、米軍、米兵の傍若無人な振る舞いを助長している不平等な日米地位協定を直ちに改めるべきだ。公平に扱うというのなら沖縄の過重負担を解消し、普天間飛行場の県外・国外移設もしくは閉鎖・撤去を実現すべきだ。沖縄の民意を米国民並みに重んじるのなら、世論調査で9割が反対するオスプレイの強行配備などあり得ないはずだ。
 米国の政府関係者や有識者、すべての良識ある市民に呼び掛けたい。沖縄県民は、普天間の「県内移設反対」でしっかりと民主的な手続きを踏んできた。今日、県内41市町村長と議長、全県議がオスプレイの配備撤回を求めている。今回の卑劣な暴行事件には激しく憤っている。こうした沖縄の民意をわが事と受け止めてほしい。在沖米軍基地の現状を劇的に改善することで、米国民主主義の復元力を、今度こそ見せてもらいたい。
 仲井真知事は昨年9月にも、日米の有識者による国際シンポジウムで「県内移設は事実上不可能」「他の都道府県への移設が合理的かつ早期に課題を解決できる」と演説した。海兵隊の沖縄駐留ついても明確に疑義を唱えていた。
 2年連続の訪米で知事は明確に県民の総意という“ボール”を投げた。今度は米側が投げ返す番だ。
 県民は戦後、県内で暮らす米軍人ほか米国市民を教師および反面教師として民主主義を学んだ。アンフェアな対沖縄政策は連綿と続いている。今問われるべきは米国の民主主義だ。誰が、どの政党が政権を握ろうともこれ以上、沖縄を踏み付けにすることは断じて許されないと肝に銘じるべきだ。