米兵住居侵入 特権意識こそ諸悪の根源

 米兵による事件が続発し、深夜外出禁止令など事件防止策が取られる中、那覇市で海兵隊伍長が住居侵入の疑いでまた逮捕された。
 仲井真弘多知事が言うように「開いた口がふさがらない」というのが県民共通の思いだろう。

 国は、住居侵入を軽く受け取ってはならない。読谷村で中学生が殴打された事件や、中部で起きた集団女性暴行致傷など大事件につながりかねないという恐れと、米兵によるあまたの事件事故に対する憤りが県民の心に深く刻まれている。
 翁長雄志那覇市長らが提起するように、在沖米軍の責任者が県や那覇市を訪れ、被害者と県民に謝罪してもらいたい。国には日米地位協定の抜本的改定を求めたい。
 在沖米軍は深夜外出禁止令に加え、基地内居住者を対象に基地外でのアルコール購入と飲酒を禁じた。深夜から早朝の基地内アルコール販売、飲酒後に基地と基地外住宅から外出することも禁止した。
 今回の事件も防止策に反しているが、問題の本質は飲酒ではない。沖縄を植民地として見下す傍若無人な米兵の特権意識こそ、諸悪の根源だ。その特権意識を生み助長させているのは、治外法権を放置する不平等な日米地位協定だ。
 韓国では米軍人・軍属・家族の犯罪容疑者について12種の犯罪で起訴前に身柄を引き渡せるよう規定を改めた。日本では殺人と強姦の2種のみだ。新外相はこれを見て見ぬふりをするのか。
 一地域に基地を集中させ地位協定改定を地域の問題に矮小(わいしょう)化し、放置している日本と、主権の問題として国を挙げて取り組んだ韓国との差が歴然としている。
 戦火を交えた北朝鮮と直接対峙(たいじ)する韓国は、日本以上に駐留米軍の重要性を感じているはずだ。要は地位協定改定に真摯(しんし)に向き合う姿勢が、国にあるかどうかだ。
 「安全保障の第一人者」とされる森本敏前防衛相は、米軍普天間飛行場について「軍事的には沖縄でなくてもよいが、政治的に考えると沖縄が最適の地域だ」と述べた。
 一地域に過重な負担を押し付ける国の姿勢は差別であり、それが県民の反基地感情を増幅させ、日米関係を損ねかねないと国は認識すべきだ。
 公務であろうと、公務外であろうと罪を犯せば日本の法で裁く。沖縄が望む地位協定改定は、当然のことを求めているにすぎない。