県政の課題・雇用の場の拡大急務/普天間危険除去は最優先だ

 三が日が終わり、官公庁は4日から仕事始めとなる。沖縄は若年者を中心に雇用情勢が厳しく、依然として全国の約2倍の高失業率が続いている。県民所得は最下位のままで、県が目標に掲げる「自立型経済」には程遠い。おとそ気分に浸ってばかりもいられない。
 戦後62年、復帰後35年が経過した現在も、国土のわずか0・6%にすぎない県土に、在日米軍専用施設面積の75%が集中し、県民は基地から派生する事件・事故に脅かされている。
 沖縄本島に至ってはその約2割を占める米軍基地が、土地の有効利用を妨げ、産業・経済振興を阻害している。

◆放置すれば大惨事に
 県政最大の課題は基地問題の解決と経済振興・雇用拡大である。とりわけ、市街地の真ん中に立地する普天間飛行場の危険性除去は緊急を要する。
 2004年8月13日には、普天間飛行場から飛び立っていた米海兵隊のCH53D大型輸送ヘリコプター1機が宜野湾市の沖縄国際大構内に墜落し炎上。乗員3人が重軽傷を負った。
 地域住民の人身に被害がなかったのは奇跡そのものだ。再び同様の事故が起きれば、今度こそ大惨事につながる恐れがある。
 06年に日米で合意された在日米軍再編最終報告は、2本の滑走路をV字形に配置する普天間飛行場の代替施設を2014年を目標に名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部に建設すると明記した。
 牧港補給地区(キャンプ・キンザー)、那覇軍港などの全面返還も合意されたが、普天間飛行場の移設、海兵隊のグアム移転などと一体的に実施することが条件とされていて、実効性には疑問がある。
 SACO(日米特別行動委員会)合意に基づく辺野古沖への移設が、反対派の抵抗で頓挫した経緯から見ても、移設作業は難航が必至だ。
 計画通りでもあと7年は現在の危険な状態が続く。その間に事故が起きれば取り返しがつかない。普天間飛行場の基地機能は1日も早く停止させなければならない。
 仲井真弘多知事は同飛行場を「3年内に閉鎖状態にする」との公約を何としても実現してほしい。
 基地被害を減らすには米軍基地の大胆な整理縮小が不可欠だが、一筋縄ではいかない。
 県によると、05年3月現在の駐留軍従業員は8800人。軍雇用者の所得、軍用地料、軍人・軍属等の消費支出を合わせた基地関係収入は1783億円(03年度)で、県民総所得の4・7%を占めている。本土復帰時の15・5%に比べると3分の1以下に比重が減ったが、金額自体は約2・3倍に増えている。
 地場産業の育成などによって、基地に依存する経済構造から脱却することが何よりも大切だ。

◆自立への基盤つくれ
 沖縄は復帰した1972年から3次、30年に及ぶ沖縄振興開発計画に基づき、道路・交通網などの社会資本が整備され、本土との格差は少しずつ縮まってきた。2002年度からスタートした新たな沖縄振興計画は自立的発展の基礎条件整備を目標に掲げている。
 復帰してから06年度までに投入された沖縄振興開発事業費は8兆800億円を超えているが、自らの足で歩きだせるような状況には至っていない。
 沖縄振興計画に書かれているように、温暖な亜熱帯気候、東京と同距離内にソウル、上海、台北、香港、マニラなどの主要都市が位置する地理的条件といった地域特性を最大限活用した振興を図っていかねばならない。
 リーディング産業の観光は05年の入域客が550万100人と過去最多を更新した。06年も最多記録を塗り替えるのは確実だ。
 医療を含めた健康保養、自然と触れ合うエコツーリズムなどのメニューを強化することで付加価値を高め、通年・長期滞在型のリゾートを形成する必要がある。それによって1人当たりの県内消費額を高めたい。
 農林水産業の振興には、亜熱帯気候を生かし、花き、野菜など独自のブランドを確立することが不可欠といえる。
 産業振興と同時に、県民福祉の向上を図らなければならない。産婦人科、小児科、脳外科などの医師不足はあらゆる手だてを尽くして解決してもらいたい。
 課題は山積だ。仲井真知事の手腕が問われる1年になる。