楽天、生鮮を海外販売 那覇ハブ活用で配送網


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沖縄のハブ機能を利用した国際間保冷輸送サービスで、日本からの生鮮品を海外に販売する楽天市場のホームページ

 インターネット通販大手の楽天(東京、三木谷浩史会長兼社長)は、同社運営の「楽天市場」で初となる生鮮食品の海外販売サービスを17日から始めた。

那覇空港を拠点(ハブ)とする全日本空輸(ANA)の国際航空貨物事業を活用したヤマト運輸の国際間小口保冷輸送サービスを利用する。これまでニーズはあったが配送網が課題で実現できなかった。第1弾として香港の富裕層や日本人駐在員らを想定し、北海道や福井のカニやエビ、イカ、長崎のアワビなど生鮮海産品を届ける。
 今回は試験事例として一括受注・配送する。17日から1月末までの注文分を2月初旬に一括して保冷輸送する。送料は無料。
 楽天の広報担当者は沖縄のハブ機能の優位性を評価した上で「国際間通販を加速させたいが、物流インフラが整わないとできない。日本の物流サービスは品質が高く、国内で培ったサービスを海外でも提供でき安定感がある。今後の展開を考えると画期的な第一歩だ。ニーズはかなり高く、対象エリアや商材を拡大していきたい」と述べた。
 楽天は2008年から楽天市場の海外販売部門を開設。楽天市場全体の出店店舗約4万店のうち、約7千店が海外向けにも販売できる体制を持つ。これまで世界200カ国にファッション関連や装飾品などを販売してきたが、生鮮品は対応できていなかった。
 沖縄の国際物流拠点化を進める県交通政策課の玉城恒美課長は「ANAに続いて昨年にはヤマト運輸、そして国内通販大手の楽天が参入し、2、3年前に県が描いた通りに順調にきている。物流拠点として沖縄はさらに加速度的に伸びていくだろう。沖縄側としても那覇空港の滑走路増設や物流センターなどのインフラ整備や人材育成の取り組みに加え、県内経済とどう連携させるかも考えなければならない」と話した。