嘉手納F15墜落 沖縄の空に欠陥機飛ばすな


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 米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が沖縄本島東方沖海上に墜落した。墜落したホテル・ホテル訓練区域の周辺海域では、県内漁協のパヤオ漁が実施されている。今回も訓練水域外の周辺で漁船が操業していた。漁船に被害が出た可能性も否定できず、海上ではなく、陸上だったら大惨事となっていた。いつまで県民は危険な空の下で暮らさなければならないのか。

 嘉手納基地所属のF15戦闘機は2006年にも墜落事故を起こしている。11年には航空自衛隊那覇基地所属機も墜落している。同機は1979年に嘉手納に常駐配備されており、これまでの34年間で9回、10機が墜落している。約3・7年に1度の頻度で墜落している計算だ。同機が欠陥か。操縦士が問題か。いずれにしても県民にとって危険極まりない航空機と言わざるを得ない。
 墜落しているのはF15だけではない。72年の復帰後に発生した県内の米軍航空機墜落事故は今回を含めると44回だ。毎年1回以上、墜落していることになる。さらに航空機関連事故全体をみると、2012年12月末現在で、540件発生し、34人が死亡している。異常な状態ではないか。
 今回は墜落場所が海上だっため県民の被害はなかった。しかし、過去には陸地に墜落する事故は何度も起きている。1959年6月30日には石川市の宮森小学校に米軍ジェット機が墜落し、児童ら18人の命を奪った。2004年8月13日には海兵隊普天間基地所属のCH53輸送ヘリが沖縄国際大学に墜落した。学生や住民にけが人が出なかったことは奇跡と言われた。
 普天間基地には昨年10月から垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機が常駐している。県知事、全市町村長が反対を表明している中、沖縄の民意を踏みにじる形で強行配備された。そのオスプレイは開発段階から昨年までに7件の墜落事故を起こし、36人が死亡している。欠陥機の疑いが拭えない。
 今年夏にはさらに12機の配備を強行する計画だ。日米で定めた運用ルールや安全確保策を守らぬまま、日常的に危険な航空機が飛行を続けている現状を放置しておきながら、日米両政府は県民の生命の安全をどう保証できるというのか。F15だけでなく、オスプレイも含め安全性の担保のない機種は無期限に飛行禁止とすべきだ。さもなければ県民は安心して暮らせない。

英文へ→[Editorial] Do not fly flawed military aircraft over Okinawa