自衛隊オスプレイ なお負担を押し付けるのか

 沖縄の軍事拠点化がより一層進み、県民の負担軽減と逆行する事態が現実味を帯びてきたと強い危惧を抱かざるを得ない。日本の防衛力の具体像を定める次期中期防衛力整備計画のことだ。

 2014年度からの5年間で、米軍が安全性への懸念を無視する形で普天間飛行場に配備した垂直離着陸輸送機オスプレイ17機を自衛隊に導入すると明記した。
 さらに領土、領海の警戒監視体制強化のため、那覇基地にE2C早期警戒機の部隊を新たに編成するほか、F15戦闘機の部隊を1個飛行隊(約20機)から2個飛行隊に拡充することも明示した。
 尖閣諸島における中国との緊張関係を背景に、安倍政権は離島防衛強化を打ち出している。中国脅威論をことさら強調することで国民の不安や反中国感情をあおり、防衛力増強を推し進める狙いがあることは明白だ。
 確かに、中国が尖閣近海での領海侵入を常態化させ、東シナ海に防空識別圏を設定するなど軍事的な圧力を強めていることは紛れもない事実であり、極めて遺憾だ。
 しかしながら「力には力」とばかりに、対立の構図をエスカレートさせることは対話による解決を遠ざけるだけだ。挑発合戦は偶発的な衝突など不測の事態を招きかねず、日中双方が厳に慎まなければならない。
 そもそも米国内や海外で重大事故が絶えないオスプレイの配備を県民は拒否している。自衛隊導入については、国民に対する説明責任がまったく果たされていない。
 普天間配備から1年以上が経過したが、オスプレイの全面撤去を求める県民世論は根強い。日米が合意した安全確保策や運用ルールは形骸化し、本土への訓練分散は形式的な色彩が強く、負担軽減からは程遠い。
 さらに嘉手納基地に空軍仕様のオスプレイの配備計画が浮上し、仮に自衛隊のオスプレイが沖縄に配備されるとなると、危険性とともに県民の軍事負担は計り知れないものになる。
 自衛隊那覇基地のF15部隊の拡充もしかりだ。滑走路が増設される那覇空港の軍民共用化が強化されかねないからだ。民間需要に対応するための新設滑走路の沖合展開が、軍事機能の強化に直結することは到底許されない。アジアの航空ハブ(拠点)をにらんだ民間専用化の議論こそ急ぐべきだ。