USJ進出検討 沖縄の魅力発信する好機

 米映画テーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が名護市のネオパークオキナワへの進出を検討している。

 開業すれば北部地域にとっては美ら海水族館に匹敵する拠点施設ができることになる。北部地域の発展だけでなく、県全体への波及効果が期待される。
 戦後69年間押し付けられた「基地の島」からの転換をさらに推し進め、豊かな自然や独自の文化を国内外にアピールする好機となろう。課題を克服し実現にこぎつけてほしい。
 USJは客足が好調で、2013年度の入場者は開業した01年以来となる1000万人を突破した。現在、20年開催の東京五輪をにらみ、海外観光客を取り込む新テーマパーク開業を目指している。
 ネオパークオキナワを新テーマパークの候補地1番手に挙げているのは、沖縄の高い観光需要が背景にある。中でも躍進するアジアからの観光客増は大きな魅力となっている。13年度の入域観光客数は過去最高の658万人、海外からは過去最高の62万人が訪れた。
 北部には美ら海水族館という有力な観光施設があるが、名護が「素通り」になっているとの指摘がある。名護進出が実現すれば「北部でもう1泊」の機運が生まれ、ホテル投資などが拡大する可能性がある。地元の雇用創出や地元産品の消費拡大も期待できる。
 特に注目したいのは、大阪の施設と違い、映画スタジオの要素はなく沖縄の自然を活用した別の形態を目指していることだ。ハリー・ポッターは大阪で、その代わり沖縄は他で味わえない豊かな自然を生かしたアトラクションを、というわけだ。オンリーワンの強みを世界に発信できる点は魅力だ。
 ただし名護開業に向けて複数の課題がある。USJは開業までの3年間で施設周辺の水道などのインフラ整備を求めている。総額は100億円規模と見積もられている。この問題を解決しなければならない。ネオパークの指定管理者側との調整も必要となる。
 テーマパークは平和を前提とする観光産業の中核を担う。沖縄を軍事化してアジアの脅威になるのではなく、テーマパークを呼び水にアジアの人々と友好を深める好機にしたい。USJ進出が実現すれば、沖縄がアジアの平和構築の中心になるために大いに貢献することだろう。



琉球新報