<社説>「高江」を公約に 知事選で誠実に向き合え

 11月16日投開票される県知事選で、東村高江の住民らが周辺で建設が進められる米軍ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設計画について、各立候補予定者が自らの立場を明確にするよう求めている。

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題が知事選の最大の焦点となる中で、高江のヘリ着陸帯建設計画が埋没した感は拭えない。
 ヘリ着陸帯が米軍に提供され、米軍垂直離着陸輸送機オスプレイが利用すれば、高江集落は墜落の危険と騒音にさらされ、大きな影響が出るのは必至だ。
 住民の安全を守る県知事の立場として、この状況にどう対応するのか。知事選で各立候補予定者は公約に盛り込み、立場を明らかにする必要がある。
 東村高江周辺へのヘリ着陸帯建設は北部訓練場の一部返還に伴い、返還予定地にあるヘリ着陸帯を移設するためだ。
 しかし、新たに建設されるヘリ着陸帯6カ所は集落を取り囲むように配置され、最も近い民家まではわずか約500メートルしかない。訓練場の一部返還の代償として、高江集落にこれだけの負担を強いることは許されない。
 そもそもオスプレイは「欠陥機」として、オール沖縄で反対してきたはずだ。沖縄の空にオスプレイを飛ばしてならないならば、高江の空も飛んではならない。
 ヘリ着陸帯建設計画が進むのは、国の特別天然記念物ノグチゲラの鳴き声が響き、絶滅危惧種のチョウが見られる自然の宝庫だ。オスプレイがまき散らす騒音、200度以上ともいわれる排気、台風並みの風圧は周辺の生物に大きなダメージを与えることは明らかだ。
 ヘリ着陸帯建設は2007年7月に始まり、住民はゲート前で座り込みを続けてきた。終わりの見えない抵抗や、国が住民を訴えるというスラップ訴訟により高江集落は疲弊を強いられている。
 国土の1%にも満たない沖縄に米軍専用施設の74%を押し付け、本土は米軍基地を「沖縄問題」と矮小(わいしょう)化する。ヘリ着陸帯に囲まれる人口約150人の高江集落は、沖縄の縮図にも映る。
 「政治の力でヘリパッド建設を止めてほしい」「高江を公約に」という訴えに政治は誠実に向き合わねばならない。立候補予定者は自らの言葉で公約を説明してもらいたい。



琉球新報