<社説>翁長知事面談日程 安倍政権は逃げず対応を

 自民党が大勝した衆議院議員選挙を受け、特別国会が24日開会し、全閣僚が再任される第3次安倍内閣が発足する。沖縄の米軍基地問題に関与する顔ぶれも総選挙前と変わらない。

 変わらない点はもう一つある。新たな基地を県内に造ることを拒む沖縄の強固な民意に向き合おうとしない安倍政権の姿勢だ。
 翁長雄志知事の安倍晋三首相、菅義偉官房長官ら主要閣僚への就任あいさつの日程取りが難航している。政権側は特別国会での首相指名などの政治日程を挙げているが、政府が推進する米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対する翁長知事への意趣返しであろう。
 新閣僚への引き継ぎがあるわけでもなく、日程は調整できよう。政府の意向に反する知事とは面談したくない、移設反対のアピールの場を与えたくない-という駄々っ子のような対応だ。民主主義の価値を掘り崩す行為の積み重ねが県民の信頼をさらに失う要因となり、沖縄との溝は一層深まるばかりだ。
 今、全国で政権と対峙(たいじ)せざるを得ない重大な懸案が争点となる知事選に臨まねばならない都道府県は沖縄を除いてないだろう。
 県民は11月の沖縄県知事選で、翁長知事を10万票の大差で選び、衆院選の沖縄全4選挙区で翁長氏を支える超党派勢力の候補者が全勝した。自民全敗の最大の要因は「辺野古移設ノー」の民意だ。
 安倍首相や菅官房長官は「地元に丁寧に説明し、理解を求めながら進める」と繰り返し、沖縄での自民全敗についても「真摯(しんし)に受け止める」と述べた。だが、実際に取っている手法は沖縄の民意無視と辺野古海上工事の強行など強権発動の連鎖である。
 1月に辺野古移設に反対する稲嶺進氏が名護市長に再選された後、首相、外相、防衛相、沖縄の基地負担軽減をあえて担った菅氏も含め、基地問題をめぐり対話する機会は一度もない。
 ここで選挙区で敗れた後、比例区で復活当選した自民4議員に望みたい。「辺野古ノー」の民意の洗礼を浴びたことを自覚し、狭量な自党政権に対して新知事と会うよう促す度量を見せるべきだ。県本部が県内移設に反対している公明党も与党の一員として骨を折ってもらいたい。
 沖縄と丁寧に向き合うことを実証するのなら、安倍政権は知事との面談から逃げ回ってはならない。



琉球新報