障害者自立支援法案・1割自己負担は重くないか

 障害者に福祉サービスの費用の1割負担を求める障害者自立支援法案が衆院厚生労働委員会で可決された。本会議での可決を経て、参院に送られる。成立したら来年1月から施行される。
 これまで身体、知的、精神の障害種別に分かれていた福祉サービスが一元化されるのをはじめ、障害者に原則1割、最高で月額4万200円を上限とする自己負担を求める。また、施設・通所サービスでの食費などは実費負担とする、というのが法案の主な内容だ。
 市町村が運営する在宅サービスに対する国の財政負担を義務化するのも法案に盛り込まれた。財政の安定が図られるのはメリットだろう。
 さらに、障害者が一般就労に移行するための機能訓練など支援事業も創設した。こうした新制度は評価したい。
 ただ、サービスを受ける量が多くなる重度の障害者ほど負担額が増えるとの懸念がある。加えて、障害福祉の分野に、1割という定率の負担がなじむのか、疑問だ。不安を抱いている障害者は多い。
 支援法案は、障害者自身がサービスを選択する支援費制度を変更する内容だ。支援費制度は、2003年4月に始まり、障害者はサービスが利用しやすくなり、自立促進につながっていると評価していた。
 しかし、利用者数が予測を上回り、政府予算は初年度から不足が発生した。そのため、利用者に費用の一部を負担させることで、国の支援負担を減らそうという狙いが法案にはある。
 障害者が頼りにしているのは、月額6万―8万円台の障害基礎年金。大半の人の収入は月10万円未満という。その中から利用料を負担するのは容易ではない。障害者が働いて収入を得られる場も多くはない。
 低所得者への減免措置の具体的内容は明らかでなく、衆院で積み残された議論は多々ある。障害者に不安を抱かせないことが大事だ。
当事者の声をもっと聞き、参院では自立支援という法案の意義を再確認して、必要なら見直すべきだ。