陸自オスプレイが新石垣空港を使用か 日米の機体が沖縄集中 住民避難の「国民保護」訓練も検討


この記事を書いた人 琉球新報社
陸上自衛隊のV22オスプレイ=2022年7月22日、千葉県の木更津駐屯地

 【東京】陸上自衛隊が10月後半、米海兵隊と実施する日米実動訓練で、陸自の輸送機V22オスプレイを石垣市の新石垣空港を軸に県内へ飛来させる計画を立てていることが29日、複数の関係者への取材で分かった。陸自のオスプレイは県内初飛来となる。

 陸自は10月14~31日、県内などで米海兵隊との実動訓練「レゾリュート・ドラゴン23」を実施する。この一環で、石垣島から患者を空輸する訓練を予定している。

 米軍普天間飛行場には米海兵隊のMV22オスプレイ24機が配備されており、県内各地を飛び回っている。陸自オスプレイも訓練で飛来すれば負担増が懸念される。政府関係者によると、実動訓練は石垣駐屯地から患者を陸路で新石垣空港に輸送し、オスプレイに乗せて島外へ運び出す。

 一方、この実動訓練で普天間所属のオスプレイ4機が大分県の日出生台演習場などで訓練する予定。この計画を踏まえ、防衛省は29日、訓練移転は「沖縄の負担を軽減する」と発表した。だが、実動訓練では海兵隊のオスプレイも県内で物資や患者の輸送、射撃訓練に参加する見通し。

 陸自は29日、実動訓練の概要を発表したが、その中では県内の具体的な実施場所を示さなかった。陸自オスプレイの県内飛来も「可能性がある」と述べるにとどめた。

 実動訓練は全体で4200人規模で、陸自は「国内における米海兵隊との最大規模の実動訓練」と説明している。陸自オスプレイは国民保護措置として住民を避難させる訓練も検討している。陸自と米海兵隊による実動訓練のレゾリュート・ドラゴンを沖縄県内で実施するのは初めて。

 7月10~17日には前段の訓練として米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)や自衛隊那覇病院などで指揮所演習を実施していた。
 (明真南斗)


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