<南風>挨拶は子どもの成長の礎


社会
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 PTA活動の中で、登校時の交通整理の立哨があります。PTA会員になって初めてやりました。各PTAにおいて、年2回程度の輪番で回ってきます。

 当初は割り当ての日だけ立っていました。会員に協力を依頼しても、連絡がうまく行き届いてないのか、協力いただける人はわずかでした。子どもたちの安全のため、実際に立哨する姿を見てくれれば理解してくれると思い、時間がある時はできるだけやってます。

 数年続けると、子どもたちの朝の行動を見ていろいろ気付きました。新しい靴を履いて登校する日、うれしそうに話し、「ハイ」と足を上げて見せてくれる子がいます。嫌なことがありしょんぼり歩いて来る子に一言声を掛けると、笑顔になって学校に向かいます。

 子どもたちとの朝は挨拶(あいさつ)から始まります。すぐできる子がいれば、全くしない子もいます。知らないおじさんに声を掛けられたら、すぐに返答しないよう教えられているかもしれませんが、時間がたつにつれ挨拶を返すようになります。子どもたちにある一言だけは言えるようになってほしいです。「ありがとう」という気持ちを自然と言葉で表すことです。それができれば、すべての面でその子が成長すると信じています。

 ある子が横断歩道を渡った後に振り返り、丁寧にお辞儀してから学校に向かうのを見た私の子が、幼稚園の時、ある園児が会ったらいつも丁寧にお辞儀して挨拶してくれたことを思い出しました。

 その子と10年ぶりにPTAの意見発表大会で会うと、覚えていてくれました。その子は、中学校の生徒会長や意見発表大会で優秀な成績を収めていると聞いていたので、園児の時のさわやかな(素直な)気持ちを持ち続けて成長した証だと思い、大変感激しました。

 朝の笑顔は、大きくなっても変わらないでしょう。
(石川謙、県PTA連合会会長)