<南風>皆さん、朝のゆとりはありますか


社会
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 「朝のゆとり」を皆さんはどのようにつくりますか。

 朝の交通指導をしているとつくづく感じます。朝の出勤は確かに急いでいる方が多いと思いますが、ゆとりがないように見えます。

 沖縄県PTA連合会の努力目標である「基本的な生活習慣を身につけよう」の中で、具体的方策として「早寝・早起き・朝ごはんの推進」を挙げています。子どもの生活習慣を正す前に大人が努めているでしょうか。朝、横断歩道前で児童生徒が立っているにもかかわらず、停車する方が少ない現実もあります。

 それは、大人自身が「朝のゆとり」をつくっていないからではないでしょうか。まず、大人が前日の夜に、自分自身の明日の予定を考え、準備すると、子どもたちにもその習慣が身に付くと思います。

 朝の出勤時にゆとりができるとともに、その日の仕事がはかどることで帰宅も早くでき、子どもたちと夕方から楽しく過ごせるのではないでしょうか。

 ゆとりのなさは車による子どもの送迎にも表れています。沖縄は全国的にも児童生徒の学校への送迎が多いと新聞で報じられていました。保護者に「朝のゆとり」がなくて朝食・準備などが遅れ、つい子どもを送ってしまっていることに一因があるのではないでしょうか。まず、保護者がゆとりをつくり、子どもたちが徒歩登校できる家庭での環境づくりに努めましょう。

 こどもの生活習慣が見直されたら、健康・学習に大きな影響が表れることは言うまでもありません。家庭の生活習慣を見直し、昨今問題になっている携帯・スマートフォンの利用の仕方も家庭で考える機会が増えると思います。

 まず最初に大人が大切な生活習慣を変えれば、朝の出勤時のゆとりを持つことができ、子どもたちの安全な登校に結び付きます。大人から実践しましょう。
(石川謙、県PTA連合会会長)