<南風>エコツーリズム国際大会・沖縄


社会
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 「では、沖縄へ行こう」。日本エコツーリズム協会(JES)2代目会長・愛知和男氏の一声で、2002年1月4日、稲嶺惠一知事と愛知会長の面談が実現しました。内閣府から大会運営費の一部が盛り込まれた事業の内示が出た1週間後のことでした。

 こうしてJESの小林天心事務局長、高梨洋一郎・榊原史博理事同席のもと「エコツーリズム国際大会・沖縄」が始まりました。時は国連の「世界エコツーリズム年」。すでに大会開催予定日まで11カ月と迫っていました。

 私は統括を拝命し、社内に大会本部が設置されました。アジア生産性機構(APO)の田島高志事務総長は年次総会の緊急動議で、アジア19カ国からの招聘(しょうへい)費用を確保してくれました。そして、日本旅行業協会、日本観光協会、全国旅行業協会、地球環境基金、JICAなどの組織や、ニュージーランド他3カ国の政府観光局からご協賛をいただき、「エコツーリズム国際大会・沖縄」は24カ国延べ560人の参加を得て催されました。

 講演やパネルディスカッションに加え、北部8カ所でのエコツアーや東村での交流会、県内各地の実践者会議など、白熱した議論と楽しい交流が4日間繰り広げられました。さらに、県内企業のご協賛でさまざまなおもてなしができ、特番を作ることもできました。

 新しく事を興すと次々と問題が起こります。それらは全て解決・改善のヒントです。エコツーリズム推進の課題とビジョンを共有したこの大会は、持ち込みの官民連携イベントゆえか県の国際会議実績リストにはありません。でも、世界で活躍するスピーカーのみなさまから「トップレベルだ」とお褒めの言葉をいただきました。苦労を共にしたスタッフたちは今、海外・県内で活躍しています。嬉(うれ)しくてたまりません。
(開(比嘉)梨香、カルティベイト社長 沖縄海邦銀行社外取締役 元沖縄県教育委員長)