<南風>成長は人との出会いから


社会
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 子供たちは、いろいろな経験をして大きく成長していきます。スポーツの試合で勝ち負けを繰り返すたびに、人前で発表をするたびに自信をつけ、その後の活動が幅広くなっていくこともあります。

 人との出会いは特に大きな経験になります。日本PTA全国協議会も、この3年間、渡嘉敷村の国立沖縄青少年交流の家で研修をしています。今年は3月26日から3泊4日で、中学2年生を中心に北海道から沖縄まで109人の生徒が参加しました。全国から集まった子供たちが一つ一つの課題に取り組み、お互い意見を述べ合い、非常に有意義でした。全国の子供たちが集まれる研修はPTAならではのものでしょう。前年度からは冬も北海道で同様の研修を実施しています。

 全員が初めての出会いなので、当初はなかなか打ち解けませんでしたが、時間がたつにつれ、気心が知れるつれ、積極的に行動するようになり、充実した研修でした。

 今年は天気にも恵まれ、野外研修、海上研修すべてが実施できました。特にシュノーケリングでは、めったに見られない海ガメを見ることもでき、貴重な経験でした。渡嘉敷村民との交流研修では、琉球舞踊、渡嘉敷太鼓、三線、魚釣りなどを地元の方々が講師となり、2時間指導してもらいました。私が担当した三線では、安波節を教えていただきました。まったくの初心者だった子供たちは音を奏でられるまでに習得し、村民の方々の前で披露してくれました。

 子供たちの教育は、学校が中心であるのは言うまでもありませんが、社会で育てることも大事です。大人が成長時期の子供たちに多くのチャンスを与えることができたら、昨今問題になっている貧困やいじめなどの対策支援にもつながり、社会が求める人材を育む機会にもなるでしょう。
(石川謙、県PTA連合会会長)