<南風>素晴らしさの探究


社会
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 前回、朝鮮特需を例に、周辺の犠牲が中心の利益を生む構造について触れました。しかし今でも先進国の企業は、途上国に工場を作り、安価で商品を生産し、働き口のない人はその工場に依存しています(映画「ザ・トゥルー・コスト」をご覧ください)。

 沖縄でも、県外や海外の企業が沖縄に参入し、働き口のない人が低賃金で働き、利益は沖縄県外に吸いとられてしまう(沖縄に残らない)という構造があります。

 もっとも、沖縄には沖縄にしかない価値・素晴らしさがあります。沖縄が東京になる必要もなければ、県外の企業に頼らざるをえないということもないはずです。沖縄にしかない素晴らしさに気付き、その価値を生み出し続ければ、「周辺の犠牲が中心の利益を生む」という構造からは抜け出せると思うのです。

 では、沖縄にしかない素晴らしさに気付くとは、どういうことでしょうか。それは、「あなたにしかない素晴らしさに気付く」ということだと思います。

 ある企業再生家は、次のように言いました。「企業の再生は人の再生であり、人の再生は心の再生である」。これは、経済再生全般にいえることだと思います。

 あなたには、あなたにしかない素晴らしさがあります。その素晴らしさにあなた自身が気付けば、あなたの心が変わるでしょう。あなたの心が変われば、あなた自身が変わるでしょう。あなた自身が変われば、すなわち、沖縄にいる「人」が変われば、沖縄の経済も変わるはずです。

 あなたが変われば、沖縄が変わる。でも、あなたが変わらなければ、沖縄も変わらない。

 構造が変わるのを待つのではなく、自分が構造を変える気持ちで、まずはあなたにしかない素晴らしさに気付いてみませんか。
(白充、弁護士)