<南風>連覇を刻む選手の力


社会
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 私の指導者としてのターニングポイントは、高校から始めた「空手」である。信頼ある先輩後輩・尊敬できる先生・良き友(ライバル)との出会いがなければ指導者の道に進んでいなかったと思う。

 日本大学空手部時代に学んだ「組織力」「心構え」「忍耐」「自覚」「信念」「謙虚さ」が、教員としての生徒指導の手法の原点となり、指導スタイルになっている。

 私は、部活動・国体・職場でも「チームづくり」にこだわりを持ち、「一人は皆のために、皆は一人のために」で何ができるか「先の先」を見据えて行動に移している。

 昨年10月、新チームで挑んだ県新人大会、6連覇をかけた男子団体組手決勝で敗戦し、プレッシャーの中から見えてきたチームの課題があった。精神面、体力面の弱さを克服するために、チーム内での競争心を高め県外遠征を行ってきた。

 選手は、負けた悔しさをバネに約半年間「優勝」を目標に厳しい練習から切磋琢磨し、県高校総体では、女子の団体組手準優勝・個人形優勝・個人組手3位・女子総合準優勝、男子は団体組手6連覇・個人形準優勝、個人組手においては同校同士での決勝戦となり優勝、準優勝を果たし男子総合優勝を成し遂げることができた。

 その裏では、監督として試合展開をイメージし、相手の特徴・相性・戦術を分析し、オーダー「タムラマジック」を組むことで勝利の方程式へつながった。男子団体組手の6連覇は、歴代連覇記録を更新し7連覇に向けて新たなスタートが始まっている。

 来月から九州・全国総体が開催される。過去には、本校から2人の高校日本代表候補が選出された。今後も、組手での五輪選手を目指し「前原高校」の名を全国に刻みたい。
(田村正人 県空手道連盟強化委員長、県立前原高校教諭)