コラム「南風」 ミッキーマウス


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 「ディズニーリゾート」
 沖縄からはやや遠いが、子供から大人まで大人気の、日本最大のテーマパークだ。

 楽しみもさまざま。アトラクションから、パレード、パフォーマンス、装飾、キャスト対応(スタッフのこと。「共演者」という意味)、全てが一体化し別世界を創り出す。ゲスト(お客)はその世界に迎えられ、楽しむ。
 さて、主役の「ミッキーマウス」。もはや違和感は無いが、モチーフは「ネズミ」だ。決して、好かれているとは言えない動物だ。家の内外で実物を見たら「かわいい」と思う方はほとんどいないだろう。過去には、伝染病の媒介者として恐れられたので当然かもしれない。犬や猫とは地位が違う。
 しかしよく考えると、世界的に「超」有名なぬいぐるみ「テディベア」も人畜を襲う「熊」だ。
 人間は、自分に従ったり、なついてくれたりするものを好み、害をうけるものは嫌う。生き物としてごく当然のことだ。しかし、人はそのような嫌いなものに対しても「かわいい」姿に少し(?)変化させただけで、一変して「気にいる」という広い度量を持っている。
 考え方や行動も同じだ。「こっちの方が良さそうだ」と思ったら、新しい考え方、やり方に変えてみよう。「頑固さ」や「プライド」があるかもしれない。しかし、人は根っから「広い度量」「高度な柔軟性」を持つ。あなたが「こんな風に変わりたい」と思えば、必ず変わることができるのだ。
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 じっくり整理して考えつつ、有効な対策を迅速に提示できるのが、「論理的思考」で、科学の基礎でもある。万能ではないものの、対象範囲は広く、学生、主婦、公務員、サラリーマン、全てに必要な課題である。
 安易に周りに流されず「考える」スキルを磨き続ければ、生活が豊かになることは間違いない。
(塚原正俊、バイオジェットCEO)