猪俣彩香さん準V 全日本美容技術選手権


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中振袖着付競技の部で金賞1位を獲得した猪俣彩香さん(右)=10月21日、大阪府の大阪市中央体育館(本人提供)

 【与那原】与那原町与那原の美容室「ニコルナーカ」の店長・猪俣彩香さん(28)が、10月21日に大阪府で開かれた第42回全日本美容技術選手権大会の中振袖着付競技で、準優勝に相当する金賞1位を獲得した。

常連客や地域の応援を一身に受けての快挙に、「目標を達成できた。応援してくれた人たちに恩返しができた」と喜んだ。
 全日本大会は隔年開催で、県大会での優勝者らが出場する。猪俣さんは2008年の県大会に初出場し、4度目の挑戦となることし7月の県大会で見事優勝した。全日本大会では中振袖着付競技に39人が出場する中、猪俣さんの得点は優勝者と同点。審査委員長による採点の僅差で、惜しくも金賞1位となった。
 18歳で美容師免許を取得し、「ニコル-」で勤務して約10年。成人式の着付けを1人でこなしていたオーナーの仲吉千恵美さんをサポートしようと、仲吉さんの指導で着付けを学んだ。「髪型もメークも着物も、トータルでつくり上げられるのが楽しい」と着付けの魅力を語る猪俣さん。仲吉さんも「センスがある。県大会後の数カ月で、全国で上位入賞するレベルまでよく仕上げてくれた」と目を細める。
 猪俣さんの全日本大会出場を知った常連客たちが協力を申し出たため、店が資金造成のタオルを販売すると、約350枚を売り上げた。また、美容室の近くに業務本部を構える照正組の照屋義実社長の企画で、町民らが歌謡ショーを開催。収益を振り袖代や帯代などに充てることができた。「関わってくれた方の喜ぶ姿が原動力となり、つらい時も頑張ることができた」と感謝する。
 店長に就任して2年目。「後輩の模範となり、スタッフをうまく動かせるような美容師になりたい」と次の目標を語った。