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辺野古の土砂「細粒分」変更、沖縄県、行政指導も検討 知事「工事中断し協議を」


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 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で沖縄防衛局が細かい土の割合「細粒分」の含有率を緩和した土砂を大浦湾側にも投入しようとしている問題を巡り、玉城デニー知事は23日、東京都内で取材に応じ「防衛局は工事を中断して協議に応じてほしい」と指摘した。知事の指示を受けた県海岸防災課は情報を収集した上で行政指導も検討する。

 防衛局は2013年に提出した当初の埋め立て承認に関する環境保全図書で、土砂の細粒分含有率は「おおむね10%前後」と明記して環境の影響を計算していた。だが、18年12月に辺野古沿岸部への土砂投入を始めた際、細粒分含有率を「40%以下」に引き上げて発注。県が国を行政指導した経緯がある。

 今回、大浦湾に投入するための土砂を発注する際にも再び細粒分含有率を40%以下としていたことが明らかになっている。

 防衛省担当者は本紙の取材に「(護岸を閉めきって)閉鎖的となった区域への投入を前提としている。これまで通り問題なく、県の了解も必要ない」と答えた。

 当初の環境保全図書にある「10%前後」は「閉鎖的ではない区域に投入する場合の記載だ」と強調。大浦湾には護岸を完全に閉めきる前に土砂投入を予定する区域もあるが「10%前後の土砂を使う」と説明した。

 だが、環境保全図書の記載では護岸が閉鎖していない場合に限るなどの条件は記載されていない。県はこの点を問題視し、防衛局が一方的に土砂の性状を変更したとみている。 (明真南斗、沖田有吾)