環境省や福島県も検出せず 原発周辺海域の放射性物質


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 東京電力福島第1原発の敷地内に並ぶ処理水の保管タンク=22日

 環境省は27日、東京電力福島第1原発の処理水放出開始翌日に同原発沖で採取した海水の放射性物質トリチウムの濃度は、検出限界値を下回ったと発表した。福島県が採取した海水からも検出されなかった。東電や、魚を対象とした水産庁の調査でも同様の結果が出ており、政府は、水産物の輸入を停止した中国などを念頭に引き続き安全性を強調する。

 環境省は25日朝、原発から40キロ圏内の11カ所で海水を採取。うち3カ所ではセシウム137なども測定したが、いずれも検出されず、人や環境への影響がないことを確認したとしている。西村明宏環境相は「客観性・透明性・信頼性の高いモニタリングを徹底していく」とのコメントを発表した。環境省は当面、毎週分析を実施する。

 福島県が25日に原発から5キロ以内の9カ所で採取した海水のトリチウム濃度も検出限界値を下回った。県はこれまで1カ月に1回程度実施していた海水分析の頻度を上げる方針。

 水産庁は原発沖で25日に網で取ったヒラメやホウボウを調べ、26日にトリチウム濃度が検出限界値未満だったと公表している。