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卒業生の給食に高級伊勢エビ 国頭中 辺土名漁港で水揚げ 村内で地産地消


卒業生の給食に高級伊勢エビ 国頭中 辺土名漁港で水揚げ 村内で地産地消 学校給食の伊勢エビに笑顔を見せる生徒=2月26日、国頭中学校3年生教室(画像を一部加工しています)
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 国頭中学校(新垣博文校長)は、卒業式が近づき給食の日が残り少なくなりつつある3年生43人を対象に、2月26日の給食で約30センチの国頭村特産の高級伊勢エビ(カノコイセエビ)の半身、ホワイトソース焼きを提供した。生徒らは配膳当番から大きな伊勢エビを受け取ると、笑みを浮かべながらおいしそうに堪能した。

 世界自然遺産に登録された自然豊かな国頭村で、その恩恵は海へと注がれ、貴重な魚や海産物が多く生息する。中でも希少価値の高い伊勢エビは高値で取引され、村内の漁業者にとっては経営の大きな基盤となっている。一方で、その多くが那覇市や名護市などのリゾート地で消費されるため、村内ではあまり流通していないという。

 給食での伊勢エビ提供は、生徒に自分たちが暮らす村の素晴らしさをもっと知ってもらい、地元の漁師が地元で取る高級食材を食べて、誇りを持って卒業式を迎えてほしいという願いが込められている。2022年から始まり今回で3度目。

 提供されたエビは、辺土名漁港で水揚げされた「活エビ」を仮死状態のまま冷凍保存したもので、新鮮な触感を味わうことができる。この日は宮城尚志村教育長も同席して生徒らと会話を交わしながら給食を味わい、高校入試に向けて激励した。

 伊勢エビを堪能した比嘉空琉さんは「久しぶりに食べてとてもおいしかった。取ってくれた地元の漁師に感謝したい」、玉城都杏さんは「人生で初めて食べて、おいしくて身がプリプリして、伊勢エビが大きかった。このような取り組みをした国頭村にありがとうと言いたい」と感想を述べた。田場楓夕さんは食べられないという生徒の分も含めて2尾を食べ「2尾当たってラッキー。伊勢エビもヒージャーも大好き」と笑顔で話した。

 卒業式前日の給食では、卒業証書をかたどった手作りケーキが配られる予定。

(新城高仁通信員)